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どうしよう…にしおりをはさみました!
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どうしよう…
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大学生×大学生
(嘔吐)
朝、いつものように朝ごはんを作っていると
オレを後ろから抱き締める君
目覚めの悪い君なのに
どうしたのか
「おはよう。」
ご飯を作る手を止めて
後ろの君に挨拶を零せば
君はそれに応えるように
俺を抱き締める腕を強めて
ぽつりと呟いた
「どうしよう…吐いた……」
そんな言葉に握っていた菜箸が床に落ちる
拾うこともせずに
後ろの君を覗き込む
さらりとした髪を掬って
頬を顕にすれば
白い肌がいつにもまして真っ白で
大きめな目にはじわりと涙が溜まっていた
「調子悪かった??」
問いかければ
君は首を横に振って
「まだ、吐きそう??」
その言葉にじっと俺を見る
潤んだ瞳がうるりと揺れ
「今は大丈夫。」と
形のいい薄めの唇から漏れる言葉は
どこか頼りない
「そっか…朝からびっくりした、な……」
優しく頭を撫でてやれば
ぎゅっと君は俺に抱きついて
俺のエプロンで涙を拭う
辛かったな…きつかったな……
ひくひくとしゃくりながら泣き始めた
君を撫でる
ひとしきり泣き終えると
涙とは違う嗚咽が漏れた
危ない予感
エプロンを握る手が強くなり
口元をぐっと噛み締める君
「吐きそう??」
先ほどと同じ質問をすれば
今度は縦に首を振られる
火のついたコンロの火を止めて
君を持ち上げる
いつからか簡単に抱けるようになった君は
また軽くなった気がした
「ん……くっ…………」
唇を噛み締める力が強くなって
ピンクの唇が赤く染まる
「トイレ、すぐ着くから、あと少し……頑張れ……」
そういってトイレに駆けた
トイレに着いて便器の前に降ろしてやると
君は便器を抱えてその場に座る余裕なくその場に吐いた
ばしゃばしゃと口元から吐き出されたモノが水に当たって音を立てる
高めのところから勢いよく底に当たって
跳ねたそれは白の陶器を醜く汚す
「うえっ……げぇっ…………えっ……」
まるで蛙のような声が喉奥から漏れて
整った顔の君とは対照的で不思議な感覚
自分の力だけで吐くのは辛いだろうと背を摩ってやれば
小さく丸められた背がさらに丸められてびくんと跳ねた
そして、また吐いて
また、吐い、た
白を染めるそれは水の最初の色なんて分からないほどに透明を濁した
はぁはぁと君の唇から息が吐き出される
ぱ、た、と目から涙が落ちて底に吸い込まれていく
「気持ち、悪かった、な……頑張った、頑張った……」
吐ききって息は荒いながらも呆然と立ち尽くす君の頭を撫でる
「ほら、息、整えよう。」
その言葉に君ははっとして
君は俺の愛撫にあわせるように呼吸を整える
やっと呼吸がおさまると君はふと意識を放棄した
俺の腕で包み込まれて
目を閉じる君はまるで人形のよう
息さえ放棄したんじゃとか怖くなって
口元に耳を寄せて
君の呼吸を聴いてほっとした
君を抱き上げベッドに降ろす
目が覚めた時
君がこんな思いをまたしませんように
そう願いを込めて唇にキスを落とした
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