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元気に見えるんだけどにしおりをはさみました!
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元気に見えるんだけど
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大学生×大学生
(嘔吐)
待ち合わせ時間に君が来ない
寒い中で待たせて何しているんだろう
痺れを切らして電話をかければ鼻声の君
「ごめん…いけそうにない……」
そう言う声の裏側では鼻を啜るような音が聞こえて
そんなに調子が悪いのかとか思って
遅刻の連絡がなかったことも許して君の家に向かう
君の家に着くと君は炬燵で暖をとっていて
見る限りではそんなに調子が悪いなんて見受けられない
「お前、本当に調子悪いの??」
苦笑気味に言ってやれば
「本当だって~、そんな疑わないでよ。」
コレが証拠とか見せられた体温計
40.0度を表示していて
信じざるおえない状況となる
「飯は食ったのか??」
今日の予定は昼食を食うこと
前々から行きたいなって決めていた場所で
本来ならば
俺らは昼食を食べている時間で
俺も腹が減ったし
こいつも何も食べてないだろう
もしかしたら、朝も食べてないかもしれない
心配して聞いてやったのに
「食べてない!!飯!!」
とか元気に言って
本当に熱があるのか??
調子が悪いのか??って疑いたくなる
でも、確かに調子が悪いのは悪いんだろうから
はぁと溜息を吐くと
台所を勝手に使わせてもらって
飯を作る
どうして俺がこんなにも飯とか作れるようになったのか
その原因は君にあるんだけど
それは今はどうでもいい
調子が悪いだろうからと作った卵粥
自分は違うものを作ろうかとか思ったけれど
君のことだ
それがいいとか言い始めるから辞めた
ことんと作った卵粥を差し出せば
目を輝かせて食べ始める君
いや、だから、どこにそんな元気があるんだよ
自分も食べるか、と蓮華を握ったところで
君の手が止まる
「どうした??」
と問いかければ
口を手で覆って
真っ赤だった顔が青ざめている
調子悪いのは本当だったみたいだ
「吐きそう??」
蓮華を置いて問いかければこくんと素直に頷かれて
トイレまで連れて行こうと立たせよう思うが
君はそれに従わない
立つのが無理なのかもしれない
動くことで耐えているものが決壊しそうなのかもしれない
傍によって聞こえる不穏な音
ごくりと何度も何かを嚥下する
そんな音が聞こえる
コレはまずいな、と
近くにあったゴミ箱に手をかけた時
「……うぇっ……げぇ……」
嘔吐きと水が叩きつけられる音
一歩遅かった
君の指の間からどろりとしたものが
机の上にこぼれ落ちていた
君は突然で驚いたんだろう
目を丸くして
はぁはぁと息をする
まだ吐くかもしれない
そう思ってゴミ箱を口元に寄せて
背を摩ってやれば
やっぱり吐いた
食べたもの以上のものを吐いたと思えるくらい吐いて
体調悪いのは嘘じゃないかとか
疑ってごめん、とか思ってしまう
なんとか吐きやんだ君の顔は涙と吐物でぐちゃぐちゃで
なんだかいつもと違って幼くかわいく思えた
「ごめん……」
とか小さく謝って
なんだか、笑えた
いつも強がってるくせに
わがままなくせに
「別に……」
そう言うとゴミ箱の袋を縛って席を立つ
濡れタオルに水、洗面器を持ってきて
君の顔と手を綺麗にしてやって
水で口を濯がせ、水を飲ませる
「この借りは今度の昼飯でいいから。」
とか言ってやれば
君は苦笑しながら「分かった。」と呟いた
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