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皆のバレンタイン
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「はぁ……」
もう今日何度目かわからないため息が漏れる
今銀は女子に囲まれてどこかに連れていかれてて教室にはいなかった
なんか…一気に教室の人口密度下がった気がする…
「おい…健斗…お前どうすんだよ…」
「……?なにが?」
先輩方から解放された健斗に声を掛ける
ちょっと何をするのか気になった
「だ、だから…その…明日……」
「明日?」
「……ば、ばれんたいん…」
「あぁ!!猛ケーキ作ってくれるって!!学と銀にもくれるってよ?」
「や…そうじゃなくて…お前は…その、猛になんか…あげるのかよ…」
「うん!!明日放課後一緒に作るよ!!」
「!?」
健斗がえへへ…っと照れながら言う
くっそ…
…………………
やっぱり…手作りの方がいいのかな…
気が重い
出来ないわけじゃない
中学の調理実習でマフィンとか作ったしいちよう一人暮らしだから料理も人並み以上にはできると思う…
ただ………
…………………恥ずかしい……
渡すときのことを考えてかぁっと顔が熱くなった
て、手作りなんて…もしおいしくないとか言われたらショック…だし…恥ずかしい…し…
銀はそんな事言わないのがわかっていたけどなんだかんだ理屈をごねてた
……………やっぱり…あげるのやめようかな……
「ねぇねぇ学?銀くん何のチョコが好きか知ってる?ボンボンとか食べれるかなぁ…それともフルーツ系の方がいいかな?甘いの嫌いなんだよね?」
「……知らない…」
「え~…あ、ねえ!!学は銀くんに何あげるの?」
「………………」
「………?学?」
「………あげない…」
「えぇ~!!ダメだよ!!あげなよ!!」
突然志波が肩を掴んでがくがく揺さぶってきた
首が痛い…
「ダメだよ!!恋人の日だよ!!」
「!!うるさい!!声がでかい!!」
運よく教室にあまり人がいなかったし誰も聞いてないみたいだったけどひやひやした
志波が小声になる
「だめだよ、せっかくなのに…それが原因で破局したカップルだっていっぱいいるんだよ?」
「!?」
「銀くん、女の子からたくさんもらうだろうし学だって頑張らないと」
「…………………」
「ゆくゆくは俺が混ざるんだからそれまで円満でいてくれないと困るよ」
「……混ぜない…」
「も~嫉妬?かわいいなぁ~」
「違う!!」
大きい声が出ちゃって数人が振り向いて少し焦った
志波はニコニコしている
「いろいろ教えてあげるからさ、ちゃんとあげないとだめだよ?」
「………わか…った…」
「うんうん…でさ、学はチョコレート甘めがいいそれとも…」
「いらない!!」
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