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午前六時四十五分、靴箱にて。にしおりをはさみました!
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午前六時四十五分、靴箱にて。
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目を合わせたまま女子が「ひっ」と言った。何かと首を傾げていると、突然、女子が叫び出した。
「ひえええええええええええええー!」
……「ひええ」なんて言う人、実際にいるんだ……と場違いな感想を抱いていると、今度は「おっ」と女子が言った。次は何かと思っていると、蚊の鳴くような声を出した。
「ぉはよう、ございます……」
「えっと、おはよう……?」
思わず挨拶を返したけど、それ以降、女子はだんまり。早朝の昇降口に、気まずい沈黙が漂う。
でも、いつまでも突っ立ったままではいられないわけで。
「あの、そこ、俺の靴箱だからどいてくれる?」
「あっ、ごめんなさい!」
恐る恐る声をかけると、女子は素早くどいてくれた。けれども、上靴を引きずり出して履く最中も俺の横からどかなかった。誰か待ってるのか?と思ったてたんだ、けど。
俺が上靴を履き終わった時だった。
「あのっ!これ……!」
「へっ?」
ぐいっと何かを俺に押しつけ、ものすごい勢いで去っていく様子を唖然と眺める。……何なんだ?
手元に視線を落とすと、そこには『今井光輔様へ』と丁寧な文字で書かれた手紙があった。
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