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ケンカした。
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「おい」
朝練が終わった後、低い声が俺を呼んだ。
振り返ると予想通りアキくんで、あーこれは機嫌悪いなと思う。ただ俺も、いつもと同じように対応する余裕はなかった。
「何?」
「何じゃねーよ。なんで今日先に行ったんだよ」
「兄貴から聞かなかった?用事があったんだって」
「それは聞いた。……でも、本当か?おれのこと避けてるんじゃねーの?」
……なんでアキくんって、こーゆーとこ妙に鋭いんだろ。
「避けてないよ」
「じゃあなんで今日そんなに素っ気ない感じなんだよ」
「アキくんがそう感じるだけじゃないの?」
「いや、違うね。おまえ、俺と何年いると思ってんの。そんなことで誤魔化せると思うなよ。……てか、おれ、何かした?」
じっと見つめてくるアキくんの黒目がちの大きな瞳。それを真っ直ぐ見返すことができなくて目を逸らした。
「別に。……ていうか、用事があっただけなのにアキくんウザイよ」
「はあっ?ウザいって何だよ!」
「そーゆーのもウザイ。……じゃ、俺、予習しなきゃだから」
「ちょっ!おい、待てよ!」
後ろから呼び止められたけど、フル無視。俺は振り返らずに一年の更衣室に向かった。
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