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臆病な社会人たち。9にしおりをはさみました!
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臆病な社会人たち。9
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袖野は出されたグラスに口をつけた。
アルコールが喉を伝って疲れた体に染み渡っていく。
「.....はぁ」
息を吐き出していると、頬杖をついて見ていた雪雛が含みのある笑い方をした。
「どぉしたの?」
「.....何がです?」
「元気ないみたい。性的な意味で」
「変な言い方しないでくださいー」
袖野は細い目を更に細めて彼女を睨んだ。
雪雛はくすくすと楽しそうに笑う。
「欲求不満そうな顔してるう。」
「疲れてるんですよ」
確かに疲れているのもあるが、彼女に指摘されて袖野は自覚せざるを得なくなりため息がこぼれる。
「ねーえ袖野くん?今夜会ったのも何かの縁だし、私のこの豊満なボディ好きに縛ってくれて構わないのよぉ」
雪雛は自然な仕草で腕を取って服からはみ出ている胸で腕を挟んでくる。
彼女は具現化した官能小説のような存在であるため、こういう事はしょっちゅうである。
袖野は取られた腕を引っ張って胸から抜こうとした。
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