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こわいひと。 5にしおりをはさみました!
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こわいひと。 5
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「...とりあえず疲れた..」
ぐるぐる考えるのも肉体的疲労でままならなくなり始めて、袖野はため息をつきながら駅のホームで電車を待った。
こうして油断していると先日のミナミの姿が思い浮かんでしまい笑いそうになってしまう。
卵にまみれてもなお、好きですと言ってくる彼。
彼に嫌われたら、と最近はそればかり考えてしまうのだ。
袖野は泣きそうになって周りの景色を見て紛らわした。
辺りはすっかり暗くなっているが見事に帰宅ラッシュとやらに巻き込まれてしまったようだ。
早く帰れると思ったらこれである。
別にゆっくり帰っても良かったのだが、
次から次へと押し寄せる人の波に乗って
流れるように電車の中に押し込められた。
駅が来るたび人の乗り降りは激しく揉みくちゃにされる。
段々乗った方とは反対側のドア側へと押しやられていく。
「....はあ」
ため息をつくと、隣の女が窮屈そうに眉根を寄せた。
無駄に図体でかくてすみませんね。と思いながらもバツが悪くなって袖野は頭をドアに押し付けながら
人より少し高い目線で電車内を見下ろした。
こんなのの繰り返しで家と職場を行ったり来たりする悲しき生き物、それが人間なのか....。
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