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red-17にしおりをはさみました!
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red-17
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きいろはふらふらしながら、鼻歌を歌っていた。高校の頃好きだった懐かしいメロディ。
きいろは少し後ろを歩いている。
帰り道には時間もあってだれもいなかった。
走る足音がし、背中にぶつかった衝撃によろめく。きいろが背中に飛びついてきた。
「おんぶして!みどりー!」
きいろは、軽い。俺は仕方ないなあときいろを背負った。
たいして身長が変わらない成人男性のおんぶなど、誰かに見られたら恥ずかしいなと思った。
きいろは、体温が高かった。身近に感じる匂いや息遣いにドキドキした。
「出発ー!」
くすくすときいろは笑った。
「ねぇ、みどり。今日の月は満ちています。綺麗ですね」
「ほんとだ。まん丸だね。綺麗だ」
「ねぇ、みどり。お腹減った。ラーメン食べたい」
そんなきいろに苦笑する。
「近所のラーメン屋あいてるかな?」
「あいてると思うよ。行こうか」
優しい月の光が俺たちを包み込んでくれる。
志穂子さんに言われたように、俺はきいろの家族だ。きっと、幸せはこの満月のように満ち足りている。きいろがそばにいるのだから。
きいろは、ラーメン屋にはいり、とんこつラーメンを頼んだ。俺は塩ラーメンを頼む。
きいろは、恐ろしいほど七味をぶっかけた。
店主や俺は目を見張る。
「え、きいろどうしたの?」
真っ赤に染まった汁に俺は怯える。
きいろは、ずずっと麺をすすりながら、時折ぐふっとむせていた。
完食し終えると、きいろは口の周りが腫れて真っ赤だった。それをみて、ふたりで涙がでるほど笑った。
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