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60
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くそ、こんなことってあるのかよ。
この学園に編入してから予想外な事が多すぎる。
全て仕組まれていたようにも感じ取れるのが
凄く怖い、だが悔しい。
それを壊したい、この得体の知れない恐怖から
解放されたい。
今渦巻いているこの感情は、何なのか。
そして目の前にいる王道、でいて欲しかった謎の男。
一言で言うなら不気味でしかない。
「お前には、俺の作戦に協力してもらう。」
ほら、嫌な予感しかしないぞこれ。
「作戦ってなんですか?」
「さっきの口調はどうした優等生。
初めて会った時からバレてんだから気にすんな。」
へらりと笑う俺よか背の低いコイツをぶん殴りたい。
「作戦はなんですか?」
「チッ、めんどくせぇ奴だな。」
そりゃオメェの事だよ。
「まあ作戦は簡単。
俺の友達を作るから協力するだけでいい。」
「は?」
俺は一瞬耳を疑った。
友達、だと...?絶対コイツ嘘言ってんだろ。
「嘘じゃねぇよバーカ。
真面目な話だからよく聞けよ。
俺は信用出来る友達が欲しいんだよ。
純粋にな、こんなこと言っても
そりゃあ信じらんねぇのは知ってる。
だけど真面目な願いなんだよクソ...。」
そう言っている時の表情は悔しそうで
悲しそうで、俺の目から見て演技だとは思えなかった。
躊躇いのもあったけど、完全にコイツを信用するわけじゃない。
友達作りに協力すりゃあ良いだけ。
「いいですよ、協力します。」
「ほ、ほんとかっ、!「ただし条件があります。」
コイツの言葉を遮りこう言った。
「君の表面の性格を改めてくれれば
僕はいくらだって協力します。」
「表面の性格...」
「自覚がないとは言わせません。
猫被りしているのは自覚があるでしょう?
声が大きい、傍若無人な態度、馴れ馴れしい。
食べ方が汚い、変装した時の容姿も汚い。」
「それは、そんな態度を取ったとしても
そばに居てくれる友達が欲しいからだよ。」
「では君が初対面の人にいきなり呼び捨てされ
友達呼ばわりされてその人の容姿も汚くて
声さえ大きい人だったらどう思います?」
「殺す」
即答しやがったコイツ
「でしょう?
そんな人と友達になりたいだなんて思う人はかなりの変人です。
精神病院をおすすめするくらいには。」
「ボロクソ言うんだな」
「君のせいで時間も潰れて
最高の気分だったのを突き落とされましたからね。」
「...考えを改める事にするわ。」
「ええ、そうしてください。
僕が友達になりたいと思える性格と
容姿になってから出直してください。
因みに素の姿はとても良いと思いますから
そこは心配ないでしょうね。
その髪と瞳は人工のものなんですか?」
自分でも何をしてるんだか...。
でもコイツ何かほっとけねぇんだよなぁ...。
王道素質はあるんだよな。
「人工だ、天然なわけない。俺、頑張るわ。」
「それもそうですね。
はい、頑張ってください。」
変な会話は終わった。
コイツは表情が豊かだな。
俺が直球で言えば悲しい顔をして
褒めれば満面の笑みを浮かべる。
かなり不思議な奴に出会った。
いろいろと心配だけど
まぁなんとかなんだろ。
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