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18歳以上ですか?
*06*にしおりをはさみました!
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*06*
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俺の願いはやっぱりどこにも受け入れてもらえないらしい。
そんなに無理難題を言っているつもりはないのに…
一応、何事もなく昼休みを迎えられたことにホッとしていたのも束の間、コロッケパンを口いっぱいに詰め込んだまま口走った、シュウマの一言が、俺の平穏をぶち壊した。
「ってか、昨日のアレどうなった?なんか決めた?」
「食うかしゃべるか、どっちかにしろよ。汚ぇなぁ…」
なんとか誤魔化そうと突っ込んでみるが、もちろん無駄だった。
「そうそう、考えてきたよ!お手々繋いで仲良くデートから始めませんか?」
ハルトが喜々とした表情で言った。
「いいねぇ」と、ソウヤとシュウマが賛成した。
「じゃ、放課後決行な!わかったか?アッち、リオ。」
急に振られた事で、今までは我関せずと言った表情で、黙々とパンを食っていたアツキが「は?なんのこと?」と、訝しげな顔をする。
「あれ?言ってないの?」
「いや、冗談かと思ってたから。」
シュウマのムカつくニヤケ顔から目をそらしながら、ハルトに合わせて涼しい顔で答えてやった。
だが、アツキと違って、俺のキャラでは涼しい顔で流すと言うスキルは使えなかった。
「いやいや、ダメでしょ?それじゃあ、罰ゲームなしってなるじゃん。ちゃんと実行していただかないと!」
「それなら、せめて、今日のデートだけでチャラにしてくれよ。一週間は長すぎだろ?どうせ、お前らすぐ飽きるくせに…」
「まあ…それもそうだな…」
お惚けは利かなかったが、泣き落としとなれば効果がありそうだ。
あとひと押しで、厳罰成功と言う所に、アツキが横槍を入れた。
「あ、罰ゲームの話か?ってか、リオ誰かとデートすんの?一週間って?」
まるで自分の事とは思ってない、軽い調子だ。
だが、もし、自分の事ではないとわかれば、いつものアツキなら、すぐに我関せず顔に戻るはずだ。
小さな違和感を抱きつつも、俺は曖昧に微笑んだ。
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