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十四松の地雷 ③にしおりをはさみました!
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十四松の地雷 ③
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「あ"~~~~~~~~~~~~~~~」
地を這うような声が聞こえた。
振り返ると 十四松が立っていた。
いつものあの笑顔、だけどその目は 笑ってない。
「あ!おかえり。十四松兄さん♡」
トド松が声をかけると、十四松は ぐるんと背を向けて 出て言った。
「えっ?どうしたの?」
トド松が俺の顔を見た。いや、俺にも分からん。
ケド…あれは、怒ってる…よな。
「ちょっと、出掛けてくる。」
俺は、十四松の後を追って 外に出たけど、もうすでに十四松の姿は なかった。
十四松の行きそうな場所を 探して走り回った。でも、なかなか見つからない。
やっと見つけた場所は、一緒に行くと約束した 路地裏だった。
俺の姿を見つけて、猫達が集まって来たけど…ごめん、何も持って来てないや。
「十四松。」
声を掛けたけど、返事はない。
俺が近付くと、十四松は俺に背を向けた。
「十四松…こっち向いてよ。」
「いや…ッス」
「なんで?…ねぇ、十四松」
「僕、怒ってマッスル…」
俺は十四松を背中から 抱きしめた。
「…ごめん。…クソ松の事は…あれは事故で…」
「違う!そんな事じゃない!」
「え?違うの?…じゃあ、何に怒ってんの?」
「………」
「ねぇ、教えて。ちゃんと謝るから。」
「…兄さん、さっき…トド松に、可愛いって言った。」
…ん?
「そんで、いい子いい子してた…」
「…えー、そんな事で?」
「そんな事じゃない!トド松は 弟だけど、僕だって 弟なのに!」
…ちょっと待って、意味分からない。
「クソ松と抱き合ってたって事より、トド松の頭 撫でる方がダメな訳?」
十四松は、くるっと俺の方に振り向いた。
「だって、カラ松兄さんは『兄さん』だもん。僕は 弟だから『兄さん』にはなれない。…でも、トド松は…僕と同じ弟だから…や…なの…」
十四松はそう言って、泣きそうな顔を 下に向けた。
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