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第2章 16にしおりをはさみました!
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第2章 16
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「……ふわ…ぁっ」
……眠い
今何時だろ
にしても寒いなぁ
トアは…寝てるし
「……寝よ」
もう一度布団に潜り込む
とはいっても一度目が覚めるとどうにもこうにも寝れそうにない
薄暗く光があるお陰でなんとかトアの顔が見える
目を閉じて、こっちを向いてる
お?これもしかしてそーゆー展開かな?
これは期待していいのかな??
「…おっじゃましまぁーす…」
トアの片腕を持ち上げて、自分背中に回す
トアの腕の中は暖かいのは知ってる
でもこういう感じではしてくれた事ないからなぁ
目の前にあるトアの顔
さっきよりも鮮明に見える
睫毛の長さも、優しい香りも
「へへへ、起きたら驚くかな?」
コレで寝たふりしてトアが起きて
「…俺は何をしてたんだ」的な感じになって
俺が起きて「…おはよ、トア。昨日は楽しかったね?」なーんて上目遣いで見
「聞こえてるぞ」
「うわっ!?」
「…耳元で騒ぐなよ」
とまぁ
俺の作戦は悉く散るっていう…
なんだろ
物凄く嫌だなこの感じ
この中途半端な感じ…
「…バカバカッ!」
「……何だよ」
「拗ねてる」
「…そ」
お返しに抱きついても
なんか全然反応してくれないし
ってか、バカバカしいなぁもう
「…可愛い」
「え?」
「……何でもねぇよ」
あれ?
何で目を逸らしてるのかな?
あれれ?
これってもしかして…
「…照れてる?」
「っ、う、うるせぇっ!」
「え、待って、もう一回」
「言うわけねぇだろ!」
「…え?」
何このツンデレ!
え、トアどうしたの
いつの間にそんな可愛い
ついつい自分の頬をつねる
「…何してんだよ」
「夢かなって」
「何言ってんだよ」
ぎゅーっと、強く強く抱き締められる
何だ何だっ
今日のトアなんか可笑しいっ
「……大好きだよ」
「…えっ?」
「…ふあっ!?」
「……何だよ」
目の前には明るい部屋
朝食の美味しそうな香り
今の今まで寝てた布団
珈琲を持って立ち尽くすトア
…え!?
待て待て待て待てっ!!
「え!?えっ!!?は!?夢落ち!?」
「…取りあえずおはよう」
「おはよう!ねぇトア朝何かあった!?」
「…何言ってんだお前」
………。
…何だろうこの虚しさ
え、俺どんだけ寂しい人間なんだろ
「…あー……ツバキさ」
「あ、はいっ」
「…誕生日、今日、だよな」
「へ?あ、…そうだね!」
「…おめでとう」
小声で、そっぽ向いて、小さく呟く声を
俺はまた逃してしまう
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