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同窓会⑤にしおりをはさみました!
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同窓会⑤
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「リベンジ?」
「はい…もう一度キスさせて下さい…そしたら俺の気持ちにも整理がつく様な気がするんです…」
わがままかもしれないけれど…
「仕方ないな…」
先生が溜め息混じりにそう呟いたのを確認すると、俺は先生の手を引いたまま歩き出した。
「手…放してくれるんじゃ無かったのか?」
「また逃げられたら困りますから」
「俺はもう逃げないよ…」
そんな会話をしながら先生を連れて来たのは、公園の端にある、ドーム状の大きなトンネルの中…普段子供達が無邪気に遊んでるんだろう、内側にはクレヨンで描いた落書きが広がっていた。
「ここでか?…おかしな話だな…大の大人が二人してこんな所で…っん」
俺は、そんな先生の言葉を自分の唇で封じた…
「んん…っ」
角度を変えて先生の形の良い唇に舌を差し込み、ゆっくりと口内を掻き回すと、先生はビクリと身体を強張らせた。
「…先生…逃げないで…」
すぐに唇を離そうとする先生を壁際に追い込んで、掻き抱きながらキスを続けたが、あの日の様に噛み付かれる事は無かった…
「ん…っ…き…のした…もう…っ」
‘もう放してくれ,そう重なり合った唇の隙間から聞こえて、うっすらと開かれた先生の潤んだ視線とぶつかった…
「…ふ…っ」
チュッと音を立てて唇が離れた。
「はぁっ…はぁ…お前…なんていうキスを…」
先生は肩で息をしながら真っ赤な顔でそう言った。
「あれから10年経ってるんです…俺だって成長しますよ…」
キスの仕方も分からず子供だった頃とは違う。
「いや、やっぱり子供だよ」
「え?」
「キスする時は目閉じろって言っただろ?」
あ…そう言えば、あの時そんな事を言われた気がする…
「それで、気持ちの整理はついたのか?」
先生はトンネルの外に出ると、俺に背を向けたままそう問い掛けた。
気持ちの整理…
「つきましたよ」
やっぱり先生の事が好きだって。
これで終わりにしたくないって。
だから俺は…
「なっ!お前一体何を!?」
俺は先生の着ているコートを無理矢理後ろから引きはがすと、先生のコートを奪った代わりに、俺のダウンジャケットを先生の肩に掛けて…公園の外へと駆け出した。
「先生のコート、クレヨンの汚れ付いてるんで、実家にクリーニング出しときます!」
先生のコートの背中には、さっきのトンネルの中に描かれた落書きの汚れが付いていた…
「あ…あぁ…ありがとう…って、おい木下⁉︎」
先生は俺の真意が掴めず、呆然としている…
「クリーニング出来たら、東京の先生の家まで配達しますから、待ってて下さい!あ、それから…やっぱり大好きです!!」
大声でそう叫びながら先生に手を振ると、俺は走り出した。
先生のコートを握り締め…
「…俺も…俺も好きだよ木下…」
一ヵ月後
「木下クリーニング店です。コート届けに来ました!!」
「…あぁ…待ってた…」
扉が開き、笑顔で俺を迎えてくれた先生を、俺はこの胸に抱き締めた…
あの日の思い出と共に…
―end―
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