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1年半後②にしおりをはさみました!
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1年半後②
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(葵語り)
「いただきます。」
ダイニングのテーブルにつき、向かい合わせで手を合わせた。
朝ご飯は、ほぼ先生が用意してくれる。
1限の授業があまりない俺は、朝が早い先生と時間が合わないため、先に起きた先生が自然と作ってくれることが多い。
今日はトーストと人参サラダに、俺の好きな固めの目玉焼きだ。
「式は15時からだから、家を12時に出れば大丈夫かな。準備は昨日したもんな。」
コーヒーを飲みながら先生が聞く。
結婚式に招待されるのが生まれて初めてで、何を準備していいのか分からなかった。
先生と一緒に祝儀袋を買いに行き、袱紗(ふくさ)は親から借りた。
安いリクルートスーツしか持っていなかったので、誕生日プレゼントとして、先生がスーツを買ってくれた。
靴も揃えてくれそうな勢いだったので、慌てて自分で購入した。俺だってアルバイトをしているから、それぐらいは持ってる。
気を抜くと、あの人はすぐお金を出そうとするから困る。
「うん。昨日一緒に確認したから大丈夫だと思う。ふふふ、楽しみだね。」
「お前はケーキのことばっかだろ。花嫁さん綺麗だろうな。俺はそれが楽しみだ。」
「そうだね。俺も勿論楽しみだよ。」
食事後、片付けをしてから着替えようとしていると何故か先生が俺の後ろに立っていた。
「先生……着替えないの?」
「葵を手伝ってあげようかと思って。ほら、手を袖に通してみて。」
スーツぐらい自分で着れますけど。
着ようとしていたシャツを引っ張ると、強い力で引き戻された。いつも通り引く気は全く無いらしい。
「俺からのプレゼントなんだから、スーツ姿ぐらい堪能させて。いいよな。」
渋々頷くと、ワイシャツを取り上げられ、白いTシャツ1枚になるよう言われた。
「いいけど、やらしい事はしないからね。結婚式に遅れたら失礼だから。昨日もしたでしょ。」
「あのねえ、俺はそんなに見境なく襲うような猿ではありません。」
疑いの目を向けると、先生がにやにやと笑っていた。
ものすごく気持ち悪いんですけど。
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