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出来ない相談5
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(熊谷先生語り)
日をまたいで3時を過ぎた頃、ようやく諸々から解放された。深夜の生ぬるい風が身体に絡みつくと、思い出したように汗が噴き出てくる。
葵は歩くのがやっとな為、俺は2人分の引き出物を手に提げてタクシーに乗った。
背後から俺にくっつくように歩いている。
「先生、ごめんなさい。もう大丈夫。酔いも覚めてきたみたい。睦月さんと悠生さん、幸せそうだったな。2人が顔を合わせて笑ったり、内緒話してるのが仲睦まじくてすごく羨ましかったんだよ。あとね、それでね………」
「うん、そうだな。」
さっきよりは言っていることがまともになった。自己申告通り、酔いは覚める方向にあるらしいが、シラフには程遠い。
葵は伝えたいことが沢山あるみたいで、頬を紅潮させ一生懸命話している。
その様が可愛い。ものすごく可愛い。
俺に構って欲しいオーラがとにかく出てる。
タクシー内で手を握ってやると、恥ずかしそうに握り返してきた。
くたんと俺の方に身体を預けて凭れてくる。
「あのね、今ね、すごく先生が好き。ものすごーく好きで好きでしょうがないの。」
ここは、一応公共の場で、第三者もいるから何と回答していいのか分からない。
微妙に声もでかいし、対応に困る。
「分かったから、もう喋んな。着くまで寝てろ。」
タクシーの運転手がピクッと動いた。
会話が前に丸聞こえだ。深夜のホモは心臓に悪いだろう。
「なんでそんなこというの。昨日だってエッチした時、愛してるって言ってくれたじゃん。ふふふ、後ろからのやつ、すごく気持ちよかったよ。」
「だから、しーっだって。もう黙れよ。」
必死で制するも、気にもしない葵の口は止まる様子はなかった。焦った俺は、もうどうにでもなれと口で口を塞いだ。
知らない誰かに性癖を暴露されるならキスしてたほうがまだマシだ。
「……ふぅっ……」
思いっきり舌を入れてやると、そちらに気がいって話す気も無くなったらしい。
気持ち良さそうにキスに没頭している。
従順になった葵に安堵するも、しばらくタクシーには乗れないなと思った。
やっぱり夜のバイトを許可しなければよかったかもしれない。
どんな葵も俺だけのものだから、人に見せたくないのが本音だ。
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