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嫉妬と羨望2にしおりをはさみました!
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嫉妬と羨望2
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(葵語り)
「松山さん、こんばんは。お呼びですか?」
「あ、葵君。忙しいところごめんね。ちょっとお土産を持ってきたんだ。感想が聞きたくて。」
松山さんは、有名デパートのバイヤーをやっている。先日来店した時、某有名店のラスクの袋を持っていたのを見た俺が、声を掛けたのが始まりだ。
実はそこよりも美味しいと思われる店を市内の洋菓子屋で知っていたので、松山さんに教えたら、話が凄く盛り上がったのだ。
「葵君が教えてくれたお店ね、来月からうちのデパートで出店が決まったよ。まずは短期間から初める。教えてくれてありがとね。で、そこの限定商品。試作品だけど、感想聞かせてよ。」
松山さんが紙袋を俺に手渡した。
中身を見ると色とりどりにコーティングされたラスクが見えた。
「本当ですか。あそこまで買いに行かなくても駅前で買えるって嬉しいな。今忙しいので、後でゆっくりいただきますね。」
「じゃあさ、後でここに感想を入れてくれる?LINEのIDも書いておくから。」
松山さんが名刺の裏にサラサラとメールアドレスと携帯番号を記して俺にくれた。
「個人携帯だから気にせずいつでも連絡ちょうだい。今度さ、ちょっと遠出して京都展に出店する所を探しに行くんだけど、一緒に行かないかな?葵君が居てくれると助かる。」
きょ、京都………わらび餅とか、金平糖とか、八つ橋、上質な抹茶を使った煌びやかなお菓子の数々。湯豆腐も食べたい。
行きたいな。
「えっ、い、行きたいです。」
「そう、良かった。俺も葵君とゆっくり話がしたかったんだよね。また日にちは相談して決めよう。」
そう言って松山さんはにっこりと笑った。
俺も嬉しくて笑顔で返した。
京都で甘味を食べ歩きとか、先生とは絶対にできないので思わず頬が緩む。
ふふふ、楽しみ。
「ねぇ……葵君。楽しそうにお話ししてるところ悪いけど、あそこにいる負のオーラをなんとかして。営業妨害だよ。」
島田が側に寄ってきて、俺に耳打ちした。
途端、背筋に冷たいものが走る。
少し早めに来た先生が離れた席から凄い形相で松山さんを睨んでいた。
うわ………近寄れない。
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