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放課後レッスン2
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(片桐先生語り)
ん?神田が可愛い………?
気のせいだ。
竹下先生に比べたらそう思えるだけで、偶然が生んだ感情だろう。
「………片桐先生、お忙しいですか?」
竹下先生が俺の顔を見て、再度聞いてきた。
「すみません。今、生徒がいるんですよ。補習の続きをやってまして……」
通常、準備室等で生徒と個人的に2人っきりになることは禁じられている。勉強は教室や図書室のような公共スペースで教えなければならない決まりだ。だが、そんなルールはあってないようなものだと俺は思っている。
何かを察したのか、竹下先生は準備室を覗き込み、その中に神田の姿を見つけると安心したように笑った。
「あら、本当ですね。失礼しました。また来ます。良かったらこれどうぞ。あちらの生徒さんと召し上がってくださいな。」
「ええ、機会があれば、また……」
包みを渡し彼女は去って行った。
おそらく神田が男だから安心したのだろう。俺が女生徒を連れ込んでいたら、修羅場的な女の戦いが見れたのかもしれない。
それもすこぶる面倒臭い。女って抱くのは良くても、こういう諸々が煩わしい。
「ほれ、これやるよ。」
クッキーをそのまま神田に渡した。奴は、中身を確認すると嬉しそうに目を細めて俺を見る。確かに、竹下先生よりは可愛い。その辺の女子よりは見てくれがマシだ。
「やったー。丁度お腹が空いてたんです。今の竹下先生ですよね?何しに来たんですか?暇人なんですかね。クッキーくれたし、いい人なのかな。食べようっと。」
食べ物をくれる人=いい人、という構図は今時の子供ですら成立しないと思う。
頬杖を付きながら、もそもそとクッキーを食べている神田を眺めていると、興味が湧いてきた。真っ新なこいつを苛めたらどうなるのか、放課後の暇潰しにはもってこいだ。
神田はチョロそうだし。
「あのさ、お前ってホモなの?熊谷が好きだったんだよな?」
神田が咽せて、ごほんごほんと咳をした。
直球過ぎたか。
「えっ?あ、ち、違います……たぶん。中学までは女の子……好きでしたし。熊谷先生にはフられました。」
明らかに目を逸らして、控えめな声で回答が返ってきた。たぶん……今はホモなんだな。
思春期の頃は憧れがそのまま恋に結びつくことが多い。神田は特に人に流されやすく、他人の影響を受けやすい。そのまま男色でいるかは今後の人間関係によるだろう。
「じゃあ、付き合ってる人は?」
「いません。好きな人は……居ますけど、フられてばっかです。気にしてるんですから、あんまり聞かないでくださいよ。」
汚れた恋愛ばかりしてきたせいか、神田の素直さがやけに眩しく見えてきて、1番避けていた『段階を踏むお付き合い』をしてみたいと思ってしまった。しかも男と。未知の世界だ。
「俺は女に不自由したことがないから、片思いもしたことがない。時間が勿体無いから、無駄なことはしない主義なの。
神田さ、試しに俺と付き合ってみない?
片思いが実るまでの間、恋愛に免疫付けておけば、きっとスムーズに事が運べるよ。悪い提案じゃないと思うけど。疑似恋愛みたいな、そんな感じ。」
我ながらよくこじつけができたと思う。
それを聞いた神田の顔が思いっきり引きつった。
「……………は?な、何言ってるんですか。そ、そそそんなの、ダメです。冗談じゃないです。」
正直に神田に興味があると言えばよかったのに、変なプライドが邪魔をした。
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