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交錯する想いにしおりをはさみました!
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交錯する想い
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◇◆◇◆
大切なお姫様を寝室まで運びベットに寝かせる。
緊張に強張った表情も大きく見開かれて流れた涙も跡形もなく消え去り静かに眠っている。
まるで眠り姫。
まだ幼さの残る寝顔を見詰めながら亮一もベット端に浅く腰掛ける。
色素の薄いサラサラの栗色の髪の毛、ニキビひとつないつるんとしたおでこ、形の良い眉、瞼に影を作る程長い睫毛、一つ一つ確かめるようにいとおしそうな手つきで撫でていく。
鼻、頬と辿り唇に行き着いた手が止まる。蝶が花の蜜を吸うように吸い寄せられた亮一の薄い唇が歩の同じ場所に触れた。
薄く開いた唇の隙間にそっと舌を挿し入れる。
くちゅ
中に潜む果実の実のような舌を唾液を絡めて愛撫する。
が、深い眠りについている歩の反応はない。
しかし恋焦がれた相手の口内を味わえて、亮一はそれだけで興奮していた。
一目惚れだった。
桜が満開の季節、混みあう電車内で金髪の不良のような男に守られるようにして立っていた歩を見つけた。
見た瞬間、全身を巡る血が逆流するような感覚に襲われた。
電車を降りてからもあの綺麗な顔立ちの少年が瞼に焼き付いて離れなかった。
たまたま顔が似た遥に街中で声をかけて付き合ってから双子の兄が歩だと知った。
あの時の喜びといったらない。運命だとすら感じた。
昔から何でも苦労せずに手に入れてきた。
歩の恋愛対象外だということは今までの会話から分かっていた。
それならば…
「手に入らないなら奪うまでだ…」
離した唇に告げた。
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