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優しさにしおりをはさみました!
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優しさ
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気持ち悪くなんか、ないよ。
ぼくはその言葉を聞いた時驚いたと同時に嬉しかった。嘘かもしれない。
……でも、でも。
『気持ち悪い。』 『いらない子』 そんなふうに言われてきた僕にとって
本当にうれしい。
「悠?どうした?」
暁さんが黙っている僕を心配してくれる。
今まで僕を心配してくれる人なんていなかった。
「いえ、なんっで、も…っひくっふ…」
目から涙があふれる。
痛くないのに。辛いわけでもないのに。
なんで?
嬉しいの?
「どうした、悠?どこか痛いのか?」
僕は首をふる。どこも痛くなんてない。
「なにか嫌なことでも思い出したか?」
僕はまた首をふる。
「じゃぁなんで…」
なんで?それは……
「嬉しく、て……今まで僕を心配してくれる人……なんて、いなくて…僕を気持ち悪くないって言ってくれた人も…いなくて、………………嬉しくて…」
「……そっか。」
暁さんはそう言って僕を少し強く抱きしめてくれた。
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