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誤解しないでにしおりをはさみました!
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誤解しないで
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「っい、!」
叩きつけられた体は埃を撒き散らし、倒れこむ。
なんとか頭は打たないようにと持ち上げたものの、風邪のせいか視界がぐらぁっと揺れた。
「もしかしてさぁ、ハジメテ?」
真ん中の男と、その周りの3人。
4人が4人ともニヤニヤ笑いながら、そう尋ねた。
初めて?
ふざけるな、男相手なんざ経験あるか。
「お前らさ、年相応の行動をしろよ」
「は?誘ったのお前じゃん」
そう言われても、俺は誘ってないし、多分騙されてるだけだし。
「むしろ感謝してもらいたいね」
「な、」
その言葉が合図だったかのように、2人が俺の腕を掴み上げた。
「離せくそっ!」
ぐらぐら、する。
「口が悪いなぁ」
もう1人が俺の着ていたパーカーを巻き上げ、よく喋る男は思いっきり俺の股をー踏んだ。
「あ"ぁっ!!!」
「お仕置きしちゃうぞー、なんてね」
「いっ、た……ぁ…!」
「これで勃つかなー?」
グリグリと踵で押してくるが、俺は痛くてたまったもんじゃない。
踏まれて感じるなんて、俺はそんな変態じゃないし。
「誰かいるのか?」
「っ!?」
いつもは人がほとんど来ない倉庫。
それなのに、しまっているドアの向こうから聞こえてくる声は……
「だれ?」
「開ける?」
やめてくれ。
アイツに、こんなところ見られたくない。
助けて。
やめて。
助けて。
やめて。
相反する思いが心で暴れる。
ガラリと開いた扉の隙間から、光が漏れる。
「、」
「なんだ」
目をつぶった俺とは反対に、俺を取り囲む男たちは笑った。
「神凪じゃん」
あぁほら、あの低い声はやっぱり神凪だったのだ。
こんな、男が襲われている図なんて見られたくない。
「お前も入る?」
見て欲しくないし、出ていってほしいし、助けて、欲しいのに俺の上から退き、とんでもないことを言い出した。
「平凡顔だけどさ、ビッチだぜ。
誘ってきたのもこいつだし。」
「ちがっ!」
「………」
いつも、今日も変わらず無口なお前は、一体何を考えているのだろうか。
お願いだから。
お願いだから、
「か、んなぎ…」
軽蔑なんて、しないでくれ。
嫌いになんて、ならないでくれ。
お願い。
見捨てないで。
違う、から。
そんなことしてないから。
お前に、だけは。
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