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10中也という奴にしおりをはさみました!
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10中也という奴
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さて、どうしたものか……。
次のmissionは私と一緒だが、あれだけの傷で中也は動けないだろう。
実際、あのままだと足でまといにしかならない。
『や、やめてくれ!!それだけはっ!!』
……ボスにも報告は出来ない。かといって置いていく訳にもいかない。
あの部屋も、あの男達も、まだ注意しないといけないものが沢山在る。
とりあえず、あの部屋を調べる事から始めようか……。
**************************
もう一度、あの血臭い鉄格子の部屋に入る。
錆びて開きづらくなっている戸は、ギイギイと少し動いて止まる。
一面だけの壁の隅、元々明かりがないからさっきは暗くてよく見えなかった。
四方八方から漂う新しい血の匂い。
全て、中也の血だ。
「拷問器具か……」
隅に放置されているのは一般的な拷問器具。
壁には鎖に垂れた手錠が下げられている。
足枷、鞭、硝子……マフィアにこんなもの必要無いのに。
捕虜をジワジワ苦しめるなんて意味無いんだから。
この部屋は終いだ。
私はまた錆びた鉄格子を開け、確り閉じる。
こんな鉄格子じゃあ、廊下の外まで血の匂いが漏れるもんだ。隠したいなら全て壁で密閉すべきだ。
「次はあの男達だけど……中也は寝てるしなぁ」
あの時、体格は分かっていたのだが、顔までは……。
夜目は効くほうだが、走り過ぎる人の顔をマジマジ観察できる程有能な目ではない。
時刻は午前2時をまわった。
もう寝てしまおう。
「毛布を何処へしまったかなぁ」
ベッドは中也に貸しているから、必然的に私はソファーで寝るだろう。
実際、私の部屋のソファーは大きいから狭いということはないだろう。
蝋燭の灯もない廊下をゆっくり歩く。
中也の血の匂いが薄れたのは、廊下を出てからだった。
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