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帰り道は危険がいっぱい→side unoにしおりをはさみました!
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帰り道は危険がいっぱい→side uno
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頭の中はすでに購入済の甘酸っぱいヤツのことで満たされていて、ほかのモノが入る余地など露ほどもなかった。
特に、今日の「ベリーベリーふわとろチーズクリームパフェ」は、オレが大好きな木苺をふんだんに使った、爽やかなで甘酸っぱさを含んだ極上テイストだと、ネットの評価レポートで書いてあった。
期待に胸はないけど、胸が膨らみまくっていてあわやFカップの勢いだ。
大事に大事に抱えてほくほくと道を歩いている。
と。
と!?!?
スコーンという激しい音と、一瞬激しい痛みとハレーションを起こしたような眩しさに包まれる。
体が宙を浮き、叩きつけられる。
一瞬の、出来事。
ゆっくり起き上がると頭がズキズキしていて、アスファルトに俺の手にしていた、大事な、あの、「ベリーベリーふわとろチーズクリームパフェ」が、中身が飛び出てて容れ物がバキバキに割れた残骸となって、他の中身と一緒に散らばっていた。
目の前には、多分オレの頭を直撃した鉄製の箱が血塗れで転がっている。
多分オレのアタマも、割れてそうだ。
そんなことは、この際どうでもいい。
目の前には、白衣のコックのような男が血だらけになっていて、それを囲むチンピラのようなヤツらがいた。
これが、諸悪の根源か!?
考えるより先にからだが動いていた。
「オレのベリーちゃんのカタキめ!!地獄で思い知れ!!」
飛び蹴りを食らわせ、チンピラたちを次々に蹴り倒す。
オレは1度ブチキレると、自分でも止める事はできない性分だ。
円山のことをカッカしすぎと言ったが、人のことは言えない、
もぎとるように、ヤツらを白衣のオニイさんから剥ぎ取っては、地面に沈める。
「も、もう、みんな逃げたよ。頭……だいじょうぶ?」
どうやら、戦う敵にすべて逃げられてしまい、オレは立ち尽くしていたようだ。
白衣を砂埃で真っ黒にしているオニイさんは、オレの腕を軽く引いた。
そうだ。
「ベリーベリーふわとろチーズクリームパフェ」は、お亡くなりになったんだ。
そう思うと絶望しかなかった。
「助けてくれて、ありがとう。君、ヒドイ怪我してるね。うち、ココだから、手当させてよ」
栗色の綺麗な巻毛をした、ジュノンボーイとかに出てきそうなオニイさんは、オレの腕を引いた。
もう一回買いにいかなきゃ……。
「だいじょうぶッす…………たいした、ケガじゃね…………」
そう言おうとした瞬間、ぐにゃりと視界が狭まり、オレは意識を闇に飲み込まれた。
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