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紅月夜にしおりをはさみました!
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紅月夜
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一回射精すると、そのあとは辛い。ナカがキュウってなって、言いようのない痛みが襲ってくる。
でも、今日は?
何も出してない。キュウって締りはしたけど、でもなんかまだ楽な気がする。
まだイける?女の子のイき方なら、何回でも、冬夜が満足するまで。僕が辛いからって冬夜が我慢しなくても、2人でもっとえっちを楽しめる?
「冬夜、僕、嬉しい。冬夜だけの女の子になったみたいで……。このまま、赤ちゃんもできればいいのに」
ただ単に嬉しかった。
心も、身体も、与えられるばかりじゃなくて、自分から進んで冬夜だけのものになったみたいで。
その喜びを、伝えたかった。絶頂の余韻に、まだ息が荒い。
でも、言葉になって漏れてきた。
きっと普段なら恥ずかしくて言えなかっただろうことも。きっとこれは酸素が足りないせいだ、なんて言い訳ができる。
でも、冬夜は僕が思ってたのと真逆と言ってもいい表情、何故か渋い顔をした。
ふと、不安になる。
僕変な事言った?なにか、冬夜が気にすること。
「そう、だな。絶対可愛いよ。俺とお前の子供なら」
悲しげに笑う。
あぁ、そうか。”赤ちゃんができれば”ってところかな。そんなの気にしないのに。
「でも僕は、今が幸せ。冬夜と一緒にいられる今が幸せだよ。溶けちゃいそうなくらい」
あぁ、冬夜がまたおっきくなった
いくらマシって言ってもやっぱりきついのに。
中でぴくりと動いたそれに、僅かな声が漏れる。ギュウと冬夜に抱きしめられて、少し苦しい。
「俺さ、やっぱりお前と会えて良かった。お前の動機はなんだったとしても、あの月蝕の夜に会えたのは、奇跡だと思う」
僕は、そう、ずっと魔族が嫌いだった。憎かった。僕から兄さんを奪ったあいつらが、心の底から。
だけど、今はほら、こんなにも愛おしい。
天界を裏切ったこと、今までの復讐に塗れた、でも確かに過去に存在した僕を裏切ったこと、気にならないわけじゃない。
僕をここまで育ててくれたのはやっぱり天界だし、そこに恩を感じてる。
でも、この幸せを手放すのは嫌だ。
わがままで、現金な僕。
それを冬夜は笑って、いや、ちょっと怒りながらかもしれないけど、受け入れてくれる。
僕が女の子だったならって思ったこともある。女の子だったらもっと色々違ってたんじゃないか。
こんな骨ばった身体よりも、もっと柔らかくて膨らみのある身体の方が、冬夜も触ってて気持ちいいだろうし。
赤ちゃんだって、できた。
いずれ魔界を継ぐ冬夜にも、また跡取りは必要だろう。
僕じゃなくてもいい理由、もっと言ったら女の子の方がいい理由なんて、探さなくてもいっぱいある。
”僕じゃなきゃいけない”理由は、冬夜が”僕を”求めてくれるから、なんて不確かな理由しかない。
飽きたらどうしよう、とか。不安と背中合わせの日々。
だから、このいつ壊れるか分からない幸せを、手放したくない。自分の手で、終わらせるなんてできない。
僕は卑怯だ。
分かってはいたけど。
でもまぁ、あの夜に出会えた奇跡に免じて、許してはくれないかな、なんて。誰に許してもらうんだって言ったら、分かんないけど。
誰か、そうだ。月にしよう。あの日は月ぐらいしか、僕達を見ていなかったから。
紅の月夜に、僕は許しを請う
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