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37にしおりをはさみました!
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ふと気がついて目を覚ますと、ベッドスタンドの明かりがボンヤリ灯る中、艷やかな黒髪と、精悍な顔立ちのハミドが眠っていた。
ハミドは目に、他者を従わせるかのような強い光や力強さを宿していて、長時間の直視を出来ない。
太陽を肉眼で見るのは良くないというだろ?
あの感覚に似ている。
こうして眠っていると、その光はだいぶ弱まっていて、張りのいい肌だとか、すっと通った鼻筋だとか、熟れたサクランボのように艶のある美味しそうな唇だとか、一つ一つのパーツの美しさに惚れ惚れする。
この謎多き男は、会う度に俺の“?”を増やしていく本当に厄介な男だ。昨日はイライラしていたようだが、今日は一日この謎多き館で、少しは彼の事を、知りたい。
一日もあるだろう、そんな悠長に構えていては、この迷宮人間から何も出てはこない。
賭けてもいいが、謎は増えても理解は少ないと俺の直感は言っている。
あ‥‥目が‥開いて‥。
「シオン‥おはよう‥。」
朝の声は、低くて掠れているんだ‥。
「おは‥よ‥」
俺の声を聞くとクスッと笑い、
「俺の寝顔をいつから見ていたんだ? 悪い子だ。」
少し起き上がると額にキスを落として包むようにハグをされた。
心臓が、ドクンドクンと煩い。
ふと、腰に手をあて、さすりながら聞いてきた。
「身体は、辛くないか?」
芋虫のようにモゾモゾ動きながら、身体のダルさは残るものの、思ってた程のひどくはないなと感じた。
ん?なんだこれ。
足裏に何か貼ってある。
腰にも‥‥!
ハミドが、してくれたんだろうか?
起き上がり、くわぁ〜と白い歯がのぞく欠伸を見ていたら、今日も沢山の、謎しかくれないような気がした。
俺がずっと見ている事に気がついたのか、艶のある流し目を送ると「腹が減ったな。シオンの朝食が食べたい。」
クソッ!腹立つ位、カッコイイっと、ボスッ‥
‥‥もちろんハミドにではない。
八つ当たりで、利き腕の握り拳を作り、それを掛け布団にお見舞いして、朝の支度にかかるのだった。
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