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「ご一緒しても、よろしいですか?」
カリフさんを紹介すると、真斗もいいと言うので椅子を持ってきて座って貰う。
「あれ?カリフさんはドーナツ食べないの…」
「ちょっと食べ過ぎててね、あぁシオンも米粉のドーナツ食べてるんだね。どう?美味しいかな。」
「うん、美味しいよ。真斗がメニューが増えたって教えてくれて」
「えっ!本当かい。事前リリースは一切してなくて、確か商品として出すのは今日の10時から、だったはずだけど…」
「俺はねーちゃんからです。ツイッターで、ここの店舗だけ今日新メニュー出来たって回って来たらしくて。自分もあとで行くけどもし食べられなかったら写メだけでも送れって指令が来てて…。さっきシオンに撮らせてもらって、送ったんで任務完了ですけど。」
「あぁ、マサト君、そんなに畏まらないで。私に敬語はやめて話してくれればいいよ。そうか、ツイッターという口コミね。ここの店舗に足を運んでくれるお客さんが来ているんだね。流石今どきの女性はお金もあるし、情報に敏感だし、フットワークも軽いものだよね。娯楽の経済はここが廻してるってのも大袈裟ではないな。成程…。」
カリフさんはなんだか嬉しそうだ。
「じゃあ、俺の事もマサトって呼び捨てしてください。」
「分かったよ、マサト。」
カリフさんの笑顔にポーッとなってるようなので、「真斗、言っとくけど、カリフさんは恋人いるからな」って一応釘を差しとく。
「ち、違ぇよ。格好いいとは思ったけどよ、何か物腰とかめっちゃ品あるし、ドーナツ屋に来るって感じ、しねぇ人じゃん。ホテルのラウンジとかで優雅にスコーン摘んで紅茶飲んでそうなイメージだから、ビックリしたっつーか、なんつーか……」
目がキョロキョロしてる。
ドハに誤解されたくなくて、必死みたいだ。
ドハはドハで、「何だ、そのイメージ。スコーンて、イギリス人くらいしか食わねぇだろ、あんなパッサパサなもん、ウケる〜」とかって笑ってる。
「そっか。じゃあ、私の知っているお洒落な所にでもご案内しようかな。皆の家はこの近くかい?車を停めてあるから、夕ご飯までには帰れるようにするよ。」
「うちは、父さんが最近遅いから、大丈夫。」「俺も電話すればへーき。」カリフさんが聞く「ドハは?」「別に、遅くても大丈夫。」ドハはえっ?て感じで聞く。カリフさんはにやにやしながら、二人の間に何か不思議な空気が漂った。
「じゃあ、行こうか。」飲みかけのハーブティーを、慌てて飲み干し、出発した。
俺はカリフさんの助手席で、ドハはハミドの定位置は嫌だと拒否したけど、そこしか無いから座れとカリフさんに言われ、何故か上着を脱いでそこに敷いて腰掛けている。真斗はチラチラ、ドハを見ながら様子を伺ってるようだけど、ドハは気づいていないらしくて、この状況が落ち着かないみたい。
カリフさんは「シオン、ダッシュボードに飴を入れてあるから、好きに取って食べてね」って言うので、開けてみたら未開封の飴の袋が、いくつか置いてあった。一つ取って後に分ける。二人は手に取ると、俺はカリフさんにあーんしてあげた。
すると真斗とドハが「おいおい!それ変じゃね!?」って同時に慌て出した。
「へっ?変じゃねーだろ、別に。運転席は手が使えないんだし。ハミドも前に何か怒ってたな、そういや。」
「お前ぇ〜…そりゃ怒るだろ。彼氏ほったらかして別の人にアーンとか無ぇって。」
真斗に言われると、ちょっと腹立つ。「全然、おかしくねーし!」と、助手席でむくれた。
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