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悪夢 友sideにしおりをはさみました!
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悪夢 友side
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「それで、この街に引っ越してきたんです。
のんびりしてていい街ですしね。元々父親が転勤族だったから、しょっちゅう引っ越ししてたんですけど、ここに引越してから、父が単身赴任してくれるようになったんですよ。まぁ、ちょこちょこ帰ってはくるんですけどね。」
俺は、衝撃で言葉が出なかった。
大和がそんな壮絶なイジメに遭っていたなんて。
あんなに、硬い殻を築き上げたのはそのせいなのか。
いつも俯いていたのは、
思ったことを口にできないのは、
お前からあんなに綺麗な笑顔を奪ったのは、
全てそのせいなのか。
なんかめっちゃ腹立ってきた。
ムカムカする!
イジメてた奴全員ぶん殴る!
「だからー
カウンターに座って正面を向いて話していた那智が、こちらを向く。
「大和に何かするようなことがあれば、
俺は絶対に許しません。」
真っ直ぐな目でこっちを見る。
大和はこんな風に強い眼差しじゃない。
いつも不安に揺れてる目だ。
兄弟なのに、こんなに違うんだな。
「話してくれてありがとう、那智。俺は大和に危害を加えたりしない。俺は、大和のことが好きなんだ。もちろん、恋愛的な意味で。だから、絶対に傷付けたりしないことを信じて欲しい。」
那智は俺の目をじっと見てくる。
俺も、見返した。
俺のことを見てくれ。
何も後ろめたいことないから。
俺があいつを守ってやるから。
「・・わかりました。俺、どうしても大和のことになると過保護で。嫌な気持ちにさせたならすみません。」
ペコリと頭を下げる。
「いや、家族だし当然だろ。しかしまぁ、俺は好きでも大和は好きな女の子がいるみたいだから、振られてるんだけどな。」
「えっ、そうなんですか?大和に好きな人?
う〜ん、どうかなぁ。」
「いや、アイツ過去に彼女いたことあるんだろ?じゃあ、好きな人がいてもおかしくないだろ。」
「いえ、大和が付き合ってたのは、なんていうか、罰ゲームで、相手の女の子が嘘の告白をしてきたみたいなんですよ。それで、騙されたっていうか。だから、大和はそんな簡単に女の子を好きにはならないと思うんですよね。」
「・・その女ぶん殴りたいな、マジで。」
「はい。俺、家まで怒鳴り込みに行きました。」
「えっ!」
「いや、だってその女の子が間違ってるでしょ。」
「そうだけど・・すげぇな、那智。」
「それぐらいできないと、大和は守れませんし、友さんのことも認められません。」
「そうか・・じゃあまずはお兄さんに認めてもらうように頑張るか!」
「認めなくても、友人関係は変わりませんからね。」
「あはは、ありがと那智。」
那智との食事を再開しながら、俺は大和のことで今まで以上に頭がいっぱいだった。
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