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ごめんなさいにしおりをはさみました!
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ごめんなさい
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「何してやがる!
母さんから離れろ!」
その時、帰宅した兄が父を突き飛ばし
母を別の部屋に逃がした後、
二人は取っ組み合いとなった。
でもまだ中学生だった兄は
一方的に殴られることはなくても
父の自我を失くした暴力には
勝てず最終的にはかなり殴られていた
ようだった。
その状況を
―――俺は見ているだけ。
まるで案山子みたいに。
田んぼの真ん中で自分の肩にとまった
雀さえ追い払えないアレと同じ。
兄のように立ち向かうこともできない。
成すすべもなく、馬鹿みたいに
ホント馬鹿みたいに……
ただ泣いているだけの情けない自分。
心の中で、
お父さんがごめんさない
迷惑かけてごめんなさい
そんな何の足しにもならない
声も出す事もできない言葉を
ひたすら繰り返す事しか脳のない
存在価値の欠片もない子供だった。
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