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お好きにどうーぞにしおりをはさみました!
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お好きにどうーぞ
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「……分かった。
手当するから部屋いくぞ」
腕を引っ張られ初めて踏み入れた
兄の部屋となった部屋。
緊張と珍しさとその他諸々の
わけがわからない気持ちが一杯になって
嬉しいくせに急に泣きたくなった。
「そんなに痛かったか?」
ぽろぽろ泣く俺に痛みで泣いているのだと
思った兄の言葉に又涙が溢れてくる。
「ちが……や、そうじゃありません」
でも何と説明していいのかは
分からない。
だって実際何で泣いているのか
自分ですら分からないから説明の
しようもなくて。
「消毒終わったぞ、頭少し切ってるけど
そこなら先ず他人には分からないだろう」
「ありがとうございます、兄……あ」
“兄と呼ぶな”
「……好きなように呼べばいい」
「―――え?」
今度は自分の手当をしながら
ぶっきらぼうに言われた言葉に
耳を疑って反射的に聞き返してしまった。
「お前の呼びたい言い方で
構わないって言ったんだよ。
今度は聞こえたか?」
「は、はい!ハイっっ!!」
「声、でけーよ」
「……すみません……すみ……ません」
「バーカ、お前謝りすぎ」
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