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18歳以上ですか?
人の気も知らないでにしおりをはさみました!
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人の気も知らないで
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「零一、食わないのか?」
「食べてますよ」
――険のある言い方。
「食い盛りなんだからしっかり食べないと
太れないぞ?お前痩せすぎだ」
「平均です」
――分かってる。
「身長あるんだから
その分、体重軽すぎだって事」
「それより兄さん、進路の話で
今度クラス分けがあるんですが」
――分かってるけど!!
「あ、もうそんな時期か。
お前はどうしたい?好きな道に進めよ。
だけど俺に遠慮して就職するってのは
勘弁な、それ以外なら応援する」
「ハイ、全部兄さんの言う通りにします」
――止まらないんだ。
「零一?」
兄さんの顔や手や声がどうしても
あの事を思い出させるから。
その度に頭が混乱してしまって
どうしたら良いのか分からなく
なってしまう。
「ははーん。なーんだ、
さっきからピリピリしてる原因はソレか。
通りでおかしいと思った」
「……もう俺、寝ます。
食器はそのまま水につけといて下さい。
明日、朝洗いますから」
「え?零一!?まだ七時だぞ?
お前さ、今からそんなんじゃ
受験前とかもっとナーバスになるぞ?
気楽にいけって。
たかが受験じゃん、な?」
何も知らないくせに。
何も解ってないくせに。
何もかも兄さんの所為なのに。
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