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2ー12にしおりをはさみました!
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2ー12
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刹那に描く君の笑顔。
何時しか、俺は惚れていた。
“ユリウカ”が君に惚れてしまったのも仕方が無いと言い聞かせるしか出来なかった。
兄弟で一人の人を取り合う行いが愚かだと解っていたんだ。
『ー…クラエティアは優しい子なの。優しすぎるから、選べないのよ…』
『俺と“ユリウカ”が困らせているのは解っている。しかし、白き絶対神サファリアよ…俺はクラエティアを愛しているんだ』
『…何処までも愚かなベルゼ』
柔らかなソプラノボイスで吐かれた科白は冷たかった。
『そして、哀れな私の弟。廻り始めた歯車を止める事は叶わないと解っていながら、己の運命を受け止めるしか出来ないわ…』
『…』
『これはね…真実の愛を貫き通した者にしか潜れない輪なの。クラエティア自身が最後の希望を賭けて作り出した運命の輪。貴方は真実の愛を貫き通せるかしら』
ふっと、空を見上げると金色の大きな輪が神々しさを放ち、クルクル廻っていた。
ー…運命の輪。
白き絶対神サファリアが唯一、俺だけに見せたクラエティアの遺作。
壊れる前に作り出した希望だと知って…。
柄にも無く、噎せり啼いた。
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