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【恋人にリンゴを】セリフお題①にしおりをはさみました!
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【恋人にリンゴを】セリフお題①
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セリフお題の第1弾
『お前を愛しすぎて、言葉だけじゃ伝えきれない』
もうやだ。逃げたい。
悟はずっとそのように思っていた。原因は目の前のレナードにある。
昨日の夜にレナードが帰ってきたので、ベッドで一緒に寝て迎えた朝。悟が目を覚ますと、後ろからレナードの腕が回ってきていて。気づかないうちに抱き締められていたことに胸が鳴ると、ぎゅっと強く捕まえられる。
どうやらレナードは先に起きていたようだ。
「おはよう、サトル。ようやく起きたな」
「……おはようございます。そんなに寝ていましたか?」
でも、時計を見ると、いつもとそんなに時間は変わらない。ということは、レナードが早く起きすぎたのだ。仕事が忙しい中で、ちゃんと睡眠はとっているのだろうかと悟は心配する。
「レナード様、ちゃんとお休みになりましたか?」
「ああ。今日は悟が隣にいるから、いつもより気分がスッキリしてるよ」
レナードは悟をころんと転がすと、おはようの口づけを送って。
「んー……またそんなことをする……」
「いや?」
嫌ではない……と思う。でも、レナードとは番であって、恋人ではあるまいし曖昧な関係だ。それに、悟はこういう甘い雰囲気に慣れていなくて、どうしたらいいのかわからなくなってしまうのだ。受け入れはするものの、発情して理性が飛んでいるわけではないから、まず恥ずかしさが前に出てくる。
むう、と悟が口を曲げると、レナードは「ご機嫌ななめ?」と微笑みながら何度もキスをした。そうしているうちに、うっとりするようなムードが出てきて、悟がなにも抵抗しないのをいいことにレナードのアプローチも増していく。
「ん、ぅ……レナード様……だめ」
これはさすがにレナードの胸を押して、嫌というサインが出た。
ちゅく、と小さな水音を立てて唇を離せば、悟は即座に顔を逸らして。最初あたりはまだ寝ぼけていたからいいものの、頭が働いてきて今はとてつもない羞恥心に襲われている。というか、なんでこんなにキスをしているんだっけ。
「サトル」
そう考えているうちに、ぬっとレナードが視界に入ってきてスキンシップを取ろうとする。
このままではいけない。まずはレナードの腕の中から逃れることからだ。
悟はレナードの頬を両手で包んだ。
「レナード様、起きてください」
「起きてはいる」
「では、準備をしましょう。ダリウス様に怒られてしまいます」
ダリウスの名を出すと、明らかに嫌そうな顔をするレナード。
「なんで今ダリウスの名前を出すんだ。あんなやつ放っておけ」
「それは、なりません……さあ、腕を離して」
頬を包んでいた手をレナードの腕に重ね、退かそうとした。案外、抱き締める力が弱くなっていて、腕は軽く上がる。
あ、これは軽々といけそうだ。それで、レナードの腕から抜け出してベッドから立とうとすると、手首を掴まれた。
「わっ!」
残念なことに、悟の身体はベッドへ逆戻りだ。確かにこんなに上手くいくなんてとは思っていたけれど。
掴まれた手は、指が絡んで繋がれ、シーツへ縫いとめられる。
「駄目だろう。ベッドで他の男の名前を出すとは」
「顔が近い……!」
キス出来そうな距離。
レナードの顔は綺麗だから、こうも近くにくると心臓に悪い。それなのに、レナードはまだ顔をゆっくり近づけてきて、これはキスされると思い、悟はぎゅっと目を瞑った。
しかし、キスをしたのはコツンと音を立てた額同士で。安堵するものの、心臓はドキドキとうるさい。
「唇に期待した?」
それに、レナードがそうやってクスッと笑ってくるものだから。
「ぁ……」
言葉に出来ない。顔が熱くて、全身が警報を鳴らせている。それから、冒頭の“もうやだ逃げたい”に戻るわけだが、本当にこの状況をどうしろと。
繋がれた手を優しく握ったり、指の腹で撫でられたりと弄ばれる。その感覚が電流となり、背中がゾクゾクした。
「サトルを愛しすぎて、言葉だけじゃ伝えきれないよ。どうすればいい?」
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