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【恋人にリンゴを】はっぴーにゅーいやーにしおりをはさみました!
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【恋人にリンゴを】はっぴーにゅーいやー
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ロンドンでは年越しイベントとして花火が上がる。カウントダウンをされて年が明けると、みんなで「Happy new year!」とハグやキスをし合って盛り上がるのだ。
「やっぱり有名なイベントなだけあって人が多いですね」
悟は周りを見渡す。周りは人、人、人。あまりにも人気になってチケット制になったが、それでも多い人だ。
それよりも、知らない間にレナードがチケットを取っていたことに驚く。良い場所は早く売り切れると噂で聞いていたから、行こうと言われた時は何度もレナードへ「本当に?」と聞いてしまった悟だ。
「そうだな。離れるなよ」
レナードは当たり前のように悟の肩を抱く。レナードからこういうことをされるのは何度もあるのだが、いまだにドキッとしてしまう。外出先であるし、周りに人がいるからこそ余計に悟は意識した。しかし、恋人同士も多いことだし、もうすぐ年が明けて花火が上がるという期待からか周りの視線は夜空に向かっていて、悟はそのままレナードに寄り添う。
「もうすぐだ」
レナードが腕時計を見て微笑んだ。すると、カウントダウンが始まって。
「10! 9! 8!」
悟とレナードは瞳を合わせる。そして、お互いが笑顔になると、周りに合わせてカウントダウンコールをした。
「7! 6! 5! 4!」
もうすぐ年が明ける。早くも一年が終わり、新たな一年が始まって。きっと来年も変わらず、何気ない日々が重なっていくのだろう。でも、その中にレナードも一緒にいて欲しいなと悟は願っていた。
3、2、1──。
「Happy new year!」
コールと共にたくさんの花火が打ち上がる。
この場に来るまでは美しい花火を見ようと思っていたのに、それすらを忘れてしまって悟とレナードの二人は、チークキスを交わして抱き合った。年明けを祝う声に紛れて、離さないようにぎゅっと。
「……一緒にいよう」
耳にかかる甘い言葉。そう願っていた悟の答えはもちろん「Yes」だ。こくんと頷いて、そっと口づけを交わす。
そのあと急に恥ずかしくなって、わかりやすく花火を見たいと誤魔化せば、レナードにますます可愛がられる悟だった。
End
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