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【恋人にリンゴを】ネクタイプレイにしおりをはさみました!
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【恋人にリンゴを】ネクタイプレイ
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ちゅ、くちゅり。嫌なくらいに水音が響く。耳はレナードの唾液に濡れてすーすーとして。
「ふ、ぁ……ぁっ……」
さらには、視界もレナードのネクタイによって奪われているから、泣いているような情けない声が出た。どうしてこうなったのだろう。
悟が帰宅したレナードを出迎えると、なぜかレナードは怒っているようだった。なぜかわからないまま椅子に座れと言われたので、言う通りにすれば、すぐに目隠しをされて、ますます状況がわからなくなってしまった。
苛立ったことがあって、その鬱憤晴らしとか……? いや、まさかレナードがそんなこと。
「答えろ。今日の昼に一緒にいた男は誰だ?」
耳元で低い声が響き、鼓膜を震わせる。その声は怒りと嫉妬の色に染まっていた。
このせいで悟は両手が空いていたのに、安易に目隠しが取れなくなってしまった。逆に取ろうとすると、今度は手も縛られてしまうだろう。緊張で、悟の喉がゴクリと鳴る。
「ひ、昼……ですか?」
「知らないとは言わせない。仕事の移動中に偶然出くわして、実際にこの目で見ていたんだからな。男に言い寄られていただろう」
そういえば。レナードの言う通り、昼に買い出しへ出ていると、知らない男から声を掛けられたことを思い出す。
なぜ声を掛けられたのか今でも不思議なことだが、男が言うには「ランチを一緒にどうですか?」とのことだった。よくわからなくて首を傾げると、男から「わかってる? 君をナンパしているんだよ?」と直接的な答えが返ってきて、ようやく状況だけ理解したというところだ。粘られはしたものの、結果的にきちんと丁重にお断りしてきたのだが。
「あ、あれは……ただのナンパらしい、のですが。確かにランチを誘われましたけど、」
その瞬間、首筋に熱い感触があたり、肌を吸われる。
「んう……っ、でも、断りましたよ! ついていくわけないでしょう!」
「……そういう問題ではない」
だったら、どうすればいいのだろう。レナードの言うことは無茶苦茶で。そして、どこからか伸びてきた手が悟のシャツの釦をプチプチと外していった。勿論、目隠し同様、レナードの威圧で悟は抵抗出来ない。
「あっ、や、ぁ……」
前がはだけ、そこから侵入してきて肌をまさぐる手が生々しい。レナードなのに、レナードとわかっているはずなのに、どこか他人に犯されているような気分だった。
「ただのナンパだと? お前は無防備すぎて、本当に危なっかしい……いっそボディガードでもつけようか」
「ぁ、ぁ……レナード様……?」
怖い。
「レナード様? どこですか……?」
レナードに触れたい。抱き締めて、キスしてもらいたい。
しかし、悟が手を伸ばした先には誰もいなくて、ただ空中を彷徨うだけだった。何度も何度も探っても、レナードの体温に触れられない。
「や、やだ……どうして?」
レナード様、おかえりなさいのキスは? いつものように、抱き締めて、ただいまって言ってくれないの?
じわり、と悟の目尻に涙が浮かぶ。
「嫌です、怖い……レナード様、名前を呼んでください」
ついには涙が溢れ、レナードのネクタイを濡らした。
「おねがい……こんなの、あんまりではないですか……」
すると、大きな溜め息が聞こえてくる。そして、足音がして止まった直後、唇を塞がれた。
悟はすぐさま腕を伸ばして、欲しかったぬくもりを抱き締める。レナードからした口づけだったが、どちらかというと悟のほうが唇を啄んでレナードを求めていたかもしれない。
「サトル……ん、」
ようやく呼んでくれた名前。レナードの声。
それが聞こえた瞬間、悟は再び唇を塞ぎ、レナードの口の中へ舌を差し入れた。舌を強引に絡め、今までの寂しさをぶつける。
すると、身体がふわっと浮いて、レナードに姫抱きをされた。
それでも、キスは続けて、しばらく夢中になっていると、横になったまま降ろされる。悟はすぐにベッドだろうという予想はついた。
そして、ようやくネクタイが外されて視界が明るくなると、見つめた先にはレナードがいて。その安心感に、再度、悟の瞳が潤った。
手を悟の頬にやったレナードは、赤く染まった目尻を優しく擦りながら口を開く。
「すまない……だが、俺はいつも心配で仕方ないんだ。嫉妬深いから、サトルが他の男と一緒にいるところを見ると、すぐに血が上ってしまう。どうしようもない男なんだよ」
悟へ顔を近づけ、コツンと額が合わさる。
悟はレナードの瞳をしっかりと見つめ、両手で頬を包んだ。
「それなら、私が誰のものか刻みつけてください。レナード様……私を抱き締めてください。もっと私にキスをして、もっともっと“サトル”って呼んでください。そうじゃないと、私も許しませんから……っ」
本当は誰のものかなんて言うまでもないけれど。きっと刻まれた分、悟はレナードのフェロモンによって守られるのだろう。
二人の体重がベッドへ深く沈み、シーツへ皺を作った。
End
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