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40 陽にしおりをはさみました!
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40 陽
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正宗に好きだと言われた俺は、正宗が風呂に入っている間に逃げ出した。
別に嫌だった訳じゃない。
むしろ嬉しかった。
嬉しかったからこそ、逃げ出した。
サイフ…持ってくるの忘れた。
今日は野宿か、と思っているとケータイがなる。
"神谷 夕紀"
画面に表示された名前に急いで電話をとる。
『もしも〜し、今から飲みにでも…』
「行く!!」
『…じゃあ、いつものBARで。』
丁度良かった。
今は飲みたい気分だ。
俺は悪友の待つ店へ行くためタクシーを拾う。
タクシー代は店についた時に夕紀に払って貰おう。
きっと怒りながらも払ってくれるはずだ。
BARにつくとやはり夕紀は文句を言いながら支払いをしてくれた。
「お前、何かあったのか。」
カウンター席に座ると早速聞かれる。
「なんの事だ。」
「お前…俺を騙せるとでも思ってるのか?」
夕紀は呆れたように言う。
夕紀は勘が鋭い。
俺は大学で知り合って以来、この男を騙せた事がない。
「…弟と、ちょっとな。」
「えっ…はぁ!?お前が、あの弟とか?」
「そうだよ、ってか兄弟喧嘩くらいで何驚いてんだ。」
確かに正宗と喧嘩なんて一度もした事ないけど。
「だってお前いつも可愛い可愛いって…ブラコンのお前が……。」
俺、夕紀にそんなふうに思われてたのか。
確かに俺にとって正宗は世界一大事だけど…
「俺はブラコンじゃないだろ。」
「………無自覚とか、タチ悪いな。」
それからは酒代を奢って貰う代わりに正宗との事を根掘り葉掘り聞き出された。
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