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番外編 誠人の場合7
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光希side
「今日はすみませんでした。…お気おつけて。」
誠人さんとはそれだけ言葉を交わして別れた。
「なぁなぁ光希、これからどこいく?」
こいつは、陽は自分が俺達の邪魔をした事に気付いていないのだろうか。
呑気な陽に腹が立つ。
「おいコラ、テメーなんの真似だ。」
「うぉっ、急になんだよ。いつもの瀬名に戻ってんじゃん。」
別にこれが素だという訳ではない。
誠人さんといる時の自分も素なのである。
ただ、誠人さんと出会った場所がパーティ会場というかしこまった場所で、出会った時からずっと大好きな誠人さんに嫌われたくないと言う想いから砕けた喋り方が出来ないのだ。
「なんで誠人さんにあんな事言ったんだよ!!」
「あんな事?」
とぼけたように聞き返される。
「だから、カフェで!!」
「あぁ。」
どうやら思い出してくれたみたいだ。
「俺は本当の事しか言ってないだろ?」
陽は自分は悪くないとでも言いたげな表情をしている。
確かに俺は静かな場所で大人しく本を読むよりも皆とはしゃいで遊びたいタイプだ。
それでも、誠人さんとの週末のデートは俺にとって特別だったんだ。
それは俺達がらまだ中学生だった頃。
本当に婚約者とは名ばかりで、俺達が学校と瀬名本家以外で会うことは滅多に無かった。
そんなある日、珍しく誠人さんから電話がかかってきたのだ。
電話の向こうの誠人さんは少し興奮した様子で、
『素敵な場所を見つけたんです!今週末、一緒に行ってくださいませんか?』
俺を誘ってくれたのだった。
そこは静かな場所で俺1人ではあまり立ち寄らないような場所だった。
2人に会話は無くて、誠人さんはずっと本に集中している。
会話はないのに、俺は幸せだった。
誠人さんの隣は安心出来て、心地よかったわ、
「誠人さん、また、誘って下さいね。」
俺が微笑めば、誠人さんは頬を染めて
「あぁ。」
と呟いた。
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