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18歳以上ですか?
1-20にしおりをはさみました!
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1-20
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片腕に重みを感じる。
少しの甘さを含む香りが鼻腔をくすぐり、ほとんど無意識のうちに、香りを発するそれに鼻を埋める。
「…んあ?」
まさか自分が人と寝ていたとは思わず、四悠は一瞬で覚醒した。
「…あー、そうだ、夢じゃないのか」
腕の中ですやすやと寝息を立てる紫桜を見つめながら独り言ちる。
順応している様に見せたが、内心では少しばかり夢ではないかと期待していた部分もあった。
目が覚めたら病院のベッドの上だったとか、そもそも事故にもあっていなくて、とか色々考えてはいたが、どうやらこの不可思議な世界が現実で良いらしい。
色々思うところもあるが、取り敢えずダイヤモンドリリーを探さなくては。
そうすれば、夢の様なこの現実が、本当の夢に変わるのだから。
「紫桜、起きろ、ギルドに行こう」
紫桜の体を揺すりながら声をかける。
「ん、しゆう…?今何時だ」
案外寝起きは良い様で、目を擦りなが紫桜は起き上がった。
時刻は8時。役所が開くのは9時かららしく、朝食や支度を済ませて行けば丁度良いくらいだった。
「飯はどこで食う?」
「屋台か何か出ているだろう」
宿はご飯付きでは無かったので、身支度を済ませて外に出る事になった。
紫桜があの薄汚れたマントをつけるのを若干残念な気持ちで眺めながら、俺はネクタイを締める。
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