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「そのマント、どうにかならないのか?幾ら何でも汚すぎだろ」
嫌な匂いがするわけでもないから見た目程汚いわけではないんだろうが、隣を歩くのは少し気がひけるので直ちに脱いで頂きたい。
「色々弄っているうちにボロボロになってしまったんだ。恐らく他のマントでやってもボロボロになる。」
マント弄ってボロボロにするって幼稚園生かよ。
何故弄る。
「このマントは幻惑魔法が組み込まれている。布が魔法に耐えれなかったんだ。因みに幻惑魔法というのはだな、」
長くなりそうなので割愛。
簡単に纏めると、紫桜は王子様のクセに城を抜け出す悪い子なので、城の人や、王子様って肩書きを狙った人たちから身を隠すためにこのマントを発明したらしい。
幻惑魔法というもののお陰で、マントを着た人は知り合いに会っても本人だと認知されないらしい。
認知される様になるには自分で名乗れば良いんだと。
偽名を名乗った場合は偽名の人物として認識されるとか。
「僕が発明したんだ」
褒めて欲しそうに言ってくるので、敢えて無視してやる。
「それより腹減ったな。お、肉の様なもの発見」
「…聞いていなかったのか」
「聞いてました。紫桜は凄いなー。おじさん肉2つ」
街には出店が沢山並んでいた。朝だというのに活気づいていて大変よろしい。
この時俺は肉を買っていて紫桜に背を向けていたせいで気づかなかった。
紫桜が俺からの適当な褒め言葉をとても嬉しそうに口の中で繰り返した事に────
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