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トラ先生の嗜好②にしおりをはさみました!
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トラ先生の嗜好②
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「がー谷、一晩中アンアン啼かされたんだって?」
体育の授業はバスケットボールで、対戦順番待ちの間にウォーミングアップをコート外でしていると、後から着替えてやって来た、仲良くしている級友達に声をかけられた。
「一晩中でないよ。二晩半かな。トラ先生のスイッチが入りっぱなしだったからね。」
トラ先生と過ごした週末の蜜月に想いを馳せ正しく訂正する。
「そんな訂正されてもなぁ…。」
苦笑いをこぼしそう呟いて、ぼくにバスケットボールをパスしてきたのは八車墨人(やぐるま ぼくと)君。
190㎝近くある長身で、厳つい男前な相貌をした彼の隣で話を聞いていた級友にも、呆れた顔つきで頷かれてしまった。
「タニのその顔で赤裸々な話をされると妄想が広がるよな。」
ニヤニヤしながらCDステレオにディスクをセットしているのは番匠水男(ばんじょう みずお)君。
柔らかい雰囲気を纏った、目元の涼しい容貌からはかけ離れた辛辣な性格の持ち主です。
「しないでよ、そんなもの。」
墨人君にパスを返しながら抗議しました。ぼくとの身長差が30㎝ほどあるので気持ち上に向かって投げる。
ぼくは男性の平均からは低い160㎝に満たない身長でそのうえ、顔の作りが女性的なものだからよく間違えられるのです。
「させるんだから仕方ねえだろ。」
身も蓋もない…ぼくの性ですか。
番匠君が再生ボタンを押すとShowtekの『Boohya』が大音量で流れ出す。懐かしいダンスチューンで、ぼくもよく聴いていた軽快な楽曲に、気分が高揚してくる。
周りのクラスメイト達も口を鳴らしたり、リズムをとったりと楽しそうにする。
ちなみに、音楽があった方がテンションが上がり、普段よりも調子が良くなる、と体育教師にステレオの持ち込みを許可して貰ったのも、番匠君です。
大した交渉術だ。
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