アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
9にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
9
-
話し方はとても上品で、少し矢野先輩のようだった。
顔からして理系で頭脳明晰で色々できるんだろうなぁ、とか。
もう一人はというと、不良っぽさの滲み出ているタイプ。
毎日喧嘩ばかりしているようなイメージを持つ人。
つまり真逆のタイプであろう2人の親衛隊が僕の前にいるわけだ。
「親衛隊……さん、僕に何か?」
どうせあの二人の前から消えろとか、どうとか言われるんだと思うけれど。
このまま黙っていたら話が進まず、僕の動脈が力で潰されて……ってくらいの展開になりそうだもの。
「聞きたいことがあります」
少しの沈黙の後、ただでさえ近かった体の距離を一歩近づけられ、少し驚く。
後ろは壁で、腕は掴まれているから逃げ場もないわけで。
静かに耳元で囁かれたのは、
「宮本小葉様と秋葉様から、手を引け」
そんな言葉。
予想していた通りだった。
「理由を聞いても?」
「……言わば邪魔者です。御二方の目は濁りはじめてしまった。…静寂を望み、御二方だけの空間でしか生きることの無かったその目が……。あなたが来ておかしくなったのですよ。以前はご自身から周りに話しかけることも無かったのに……」
ごめんなさい、親衛隊さん。
ちょっと小ちゃんと秋ちゃんのマニアすぎて、どういう意味かわからないんですが。
「僕は、親の勝手で宮本家に入れられただけであって……。僕から近づいたわけでもないし、正直これから先すぐに離れるというのは難しいです。一つの家で暮らしているわけですから」
冷静に。……だって理不尽じゃないか。
あの二人の変化が僕のせい?しかもその変化、そんなに悪いことなの?…………難しい。
「あなたは、あの双子の世界を壊した」
後ろで下を向いていた不良らしき人が、急に話し出したから驚いた。
「その罪…………償って頂きたい」
ゆっくりと上げた彼の顔は……
まるで壊れた人形のように口角が上がり、不気味に笑っていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
49 / 282