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お互い様っしょにしおりをはさみました!
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お互い様っしょ
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『あはは…眼鏡知りません?』
流してみた。
守先輩は何か一人で納得して、そういえば…とツツジの木の下を探り始めた。
さっき光ったように見えたんだって。
「あった!」
『ありがとうございます…』
何か恥ずかしい。また見苦しい顔をお披露目してしまった。
あ、この不良達には良い拷問になったかもな。
何で変装なんかしてるの?って聞かれたけど、俺の顔を見て分かんないかな。
察してほしい。
『俺こんな顔のせいで女子に嫌われて、女性恐怖症なんすよ』
「嫌われてるの?女に??」
へぇーって思いっきり顔を見られてつい視線をそらす。あんまり顔をじっくり見られるの、好きじゃない。
『平凡に暮らすにはこれしか道は残されていないんです』
「ふーん。でもだからってその眼鏡は逆に嫌われちゃうと思うよ?」
守先輩は静かに俺の眼鏡を外した。
守先輩の手が俺の顔に届いたのは、俺が座り込んでいるからだ。
『俺の顔を見たらきっと皆俺を嫌うんだ。俺が汚い顔をしてるから…』
「「いや、それはあり得ない」」
ん?声が被った。
守先輩と、誰???
後ろを振り向くと、さっきまで地面にひれ伏していた不良達が起き上がっていた。
ヒッと守先輩が俺の後ろに隠れる。
『あ、起きたんだ?
じゃあ取り敢えずデータ全部消して』
何のかは分かるよね?
圧をかけると、すぐにケータイを取り出して操作し始めた。
数分後、終わったのかケータイを投げてくる。
うん、消えてるみたいだ。
『今度そんなことしたら樹さんに言うから。
ーーはい、行っていいよ』
「「え!?」」
また声が被った。守先輩と、不良達。
実は仲が良いのではないだろうか。
「風紀委員に報告しないの?」
あーね、そういう手もあったのか。
ポイっとケータイ不良達に投げつける。
『いや、俺も殴っちゃったし。
お互い様ってことで』
「……」
守先輩は不服なようだが、俺的には大満足だ。
久しぶりに喧嘩が出来たし、可愛い先輩にも出会えたし。不良達もまあまあ良い顔だったし。
早く行かないと爽に不審に思われる。
行きましょう、と行って校舎の方へ歩き出した。
あ、眼鏡は装着したぜ。
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