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18歳以上ですか?
11にしおりをはさみました!
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11
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「…ほんとに行きたいのか…?」
考え直してやっぱり止めとく、と言ってくれるのを期待して言ってみたものの。
「うんっ」
返ってきたのはさっきと同じ答え。
……どうするかな。
「…弟…、じゃちょっと無理があるか…」
大体、似てないし。髪も、目の色も…、とその考えは却下しようとした時だった。
「弟…?りおがお兄ちゃん…?」
「ん?まぁ、でも流石に「オレそれがいいっ!」
バレると言おうとしたら、ミズキの嬉しそうな声に遮られた。
「オレ、兄貴いるんだけどちょっと血が繋がってるってだけで話したこと数えるくらいしかないし…。だからオレ、それがいい!」
そう、どこか縋るようなミズキの目に、俺はもうダメだなんか言えなかった。
またはぁ、と断り切れなかった自分自身にため息をつきながら。
「わかった」
何とかなるだろ、と軽い気持ちで頷いてしまった。
「りおがお兄ちゃん…。お兄ちゃんか…」
嬉しそうにそう何度も呟くミズキを見て。
お兄ちゃん、なんて呼ばれることに心に懐かしさと暖かさを感じながら、俺もまた、ウルハと同じようにそんなミズキに優しい眼差しを向けていた。
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