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始まりの朝にしおりをはさみました!
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始まりの朝
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ジリリリリ…
朝の静けさを破って、目覚ましの音が部屋に響く。
ベッドの中から伸びた手が鳴り響く目覚ましを止め、寝ていた人物がもぞりと顔を出した。
「…あ~…うるさ…」
小さく呻いて、再び寝ようかと思った椛だったが、
「椛~、朝食の用意出来てるわよ~」
と、下の階から姉の呼ぶ声が聞こえるのだから、起きない訳にいかず、もぞもぞと布団を剥ぎ、体を起こし、くぁ、と欠伸を溢す。
「まだ眠い…」
そこで、椛は体に違和感を感じた。
胸に手を当てると、元々そんなに無かった胸がほんとに無かった。
もしかして。
そのまま喉に手を滑らせ、呟く。喉の出っ張りが引っ掛かる。
「声、掠れてる…?し…」
声が少し低い気がしたのだ。…まぁ、自分の声を気にしたことは無かったけど。
ふと立ち上がり、ゆっくりと視線を巡らせてみる。
「背も、高くなったかな…」
何だか視点が高いから、視野も広がった気がする。
ぺたぺたと自分の体を確認して、取り敢えず、着替える為に服を見るが…
「やっぱ、着れない」
どうやら男になったせいで、背が伸びたりした為、サイズが合わなくなっていた。
「どうするかな…あ」
そう言えば、自分の見た目がどうなったかは確認して無かったと思い、一応ある鏡の前に立つ。
そこに映っていたのは、寝起きらしくはねた長めの亜麻色の髪と眠たそうな紅葉色の瞳の少年だった。
そう。椛は、男になっていた。
「…何だ、大して変わんないじゃん?」
髪と瞳の色、同じだし。長さも同じだし。
ふむ、と頷いてみていると、また呼ばれる。
「もーみーじ~?ごはん、冷めちゃうから早くね~」
きっと、姉だけでなく、兄達も待たせているだろう。
皆に相談してみたら何とかなるかな?
学校のこともあるしなぁ…
「…はぁ…めんどくさ…」
***
ちなみに、この時期は中学卒業~高校入学前です。
椛は普段から、ちょっと男の子っぽい感じです、考え方とかその他諸々。
仲良し家族です~
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