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project plan.Sにしおりをはさみました!
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project plan.S
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僕は蒸れるウィッグを掻きむしりながら廊下を歩いていた。
ときどきすれ違う舎弟とあいさつを交わし、リョウヤの部屋へのんびりとした歩調で急ぐ。
昨夜、寝る前に明日俺の部屋に来てくれと言われたから、まだまだ寝たいのを我慢してまで約束を守る僕はとても偉いと思う。
「ちーすリョウヤー用事ってなに…」
ドアを押しあけながら入室した僕は言葉を失った。
昨日まで確かにこの部屋は何もないなと心配するぐらい簡素だったはずだ。
コンクリート張りの床と壁にどこか薄ら寒さまで感じていたというのに。
「来たか」
「りょっリョウヤ?この部屋なに?」
薄気味悪く部屋中を見渡す僕を、リョウヤは相変わらず無表情で見つめてくる。その無表情も昨日まで空っぽだと思っていたが、この部屋とのミスマッチ具合に鳥肌までたってきた。
「見てわからないか。コスプレグッズだ」
壁につりさげられたカラフルな服の数々。
メイド服、セーラー服、ドレス、エトセトラ。
そういうのに疎い僕でも名前を知っているような代物ばかりが揃っていた。
しかもボロボロのテレビからもその単語が飛び出してきていた。
『コスプレを初めてやった時の心境はどうしでした?』
『最初ドキドキしてしましたね。でもキャラのコスプレをした瞬間、僕は確かにそのキャラになりきれたと思えてそれからはまりました』
「なんでこいつ男なのにスカート履いてるの!?きもっ!」
「お前も男だろう」
「僕はいいの!この美しい美貌があるからね!こいつただのおっさんじゃん!顔面凶器にもほどがあるよ!」
自分も女装していることなど棚にあげて悪態をつく僕へ、リョウヤは真顔で尋ねてくる。
「それで」
「なっなんだよ」
「興味わいたか」
「わくわけねーだろ!むしろ引いた!うっぷなんか視界がピンクに覆われて吐き気がしてきた…」
ふらふらしながら僕は出口へ向かう。呼び止める声がしたけど、それどころじゃない。僕が震える手でドアノブを握ると、ドアが僕に向かって突撃してきた。
「いってえ!」
おでこに直撃した。
「うおっわるい…ってユウか?顔色悪いぞどうした」
コウスケがあわてた表情で僕の顔を覗き込んでくる。ああそっか。やっぱり顔真っ青なんだな。
僕はそれに返事をする余裕もなくコウスケを突き飛ばして部屋から駆け去った。
「サブリミナル効果なしか」
「ちょっあんた本当にやったのかよ!?つーかこういうのはさりげなくやらねえと意味ないんだ!こんなのひかれるに決まってんだろ!」
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