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project plan.K
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「ふう…昨日のリョウヤはどうしたんだろ。気でも狂ったのかな」
あの悪夢のコスプレルームからの脱出を果たした数時間後、またリョウヤに呼び出された僕は頭痛が治まった頭を押さえながら歩いていた。
リョウヤがオタク性に目覚めたのか、と身震いしたが今までの経路によってそれはあり得ないと断定できる。
「まっまさか。僕の女装があまりにも美しすぎてそっちの道に足を踏み入れてしまったというのか?ぼっ僕って罪すぎる!」
もしそうならば、謝って一発殴って正気に戻さないとね!
ひそかに握りこぶしを作って、僕はリョウヤの部屋のドアを押しあけた。
あける寸前にあの悪夢がよみがえってきて、思わず目を閉じた。
恐る恐る目をあけると、確かに数時間前に飾られてあったきらびやかな服たちは存在しなかった。
「え?幻覚だったの…?」
思わず呆然とする僕だったが、リョウヤはまったく普通の態度で僕を見つめていたので、おどおどしながらもソファに腰を下ろす。
数秒沈黙が続き、まごつく僕をおいてリョウヤが口を開いた。
「なあ」
「なっなんでしょうか」
ショックから抜け出せていないので、どもりながら返事をする。
リョウヤはゆったりとした動作で足を組みかえ、どっしり構えた。
「…コスプレっていいよな」
「は?」
「メイド服というメジャーなものからエプロンなどという王道なもの、ゴスロリ。そしてナース服。多種多様なカラフルなもの衣装に身をまとい、新たな自分に生まれ変われる。人はそれを現実逃避と呼ぶかもしれない。だが俺はそうとは思わない。人は時として現実から逃げて心の休暇を得ることもまた必要不可欠だ。好きなキャラのコスプレや、憧れの職業の作業服を着ることでそれを成し遂げられるなら、いいと思う。またその設定やキャラに近づくために化粧やカツラを被って努力を行うってどこにいく」
「失礼しました」
熱論するリョウヤをおいて、僕はさっさとドアを閉めたのだった。
「…なぜだ。語ってみればわかってくれると思っていたのに」
「ただ気色悪いだけだよあんた」
入れ違いに入ってきたコウスケはあきれ顔でそういった。
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