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夏の章三 夏ぐれにしおりをはさみました!
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夏の章三 夏ぐれ
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「可児は謝ってくれたから……俺は……、嬉しかったよ…」
「もっと早よ謝らなあかんよなぁ…。どんだけ器が小さいねん」
謝ろうと思えばいつでも出来た。
それなのに、遊命を傷つけ、汚しただけでなく、己れの愚かな行為を消そうと、更なる苦痛を与えた。
「……何で、そんな何でもかんでも受け入れんねん…」
自分のことだけではない。
長谷川のことも、とにかく最後まで話を聞こうと止めたのは、遊命だった。
「……」
「……遊命?」
可児が身体をずらすと、背中に回されていた遊命の腕が力なく落ちた。遊命は、浅く、ゆっくりとした一定のリズムで寝息をたてていた。
「…ホンマに眠かったんか…」
遊命の頬にかかる髪を直すと、可児は斜めになった遊命の身体を真っ直ぐに整えた。
可児は微かに上下する胸に手を添え、静かに耳を押し当てた。
「こいつと同じや……。ごめんな、遊命」
好き勝手に遊命の身体を傷つけた。
可児は遊命の左脇腹に突っ伏して呟いた。
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