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夏の章三 夏ぐれにしおりをはさみました!
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夏の章三 夏ぐれ
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──信頼。
二人の間に存在する、愛情以外の繋がり。
「んー……、せやろなぁ」
「俺、凄く惨めです。あなたたちのそんな絆みたいなのを感じ取って、嫉妬してたのかも知れません。どこかに亀裂を入れようとして、息子さんにあんなこと……」
「何か、えらい買い被ってんなぁ。日出子のことや、何の思惑もなく、俺と結婚した訳やないと思うで」
「何なんですか? 思惑って」
「知らん。そんな話、せぇへんし」
「暢宏さんにとって、大した問題じゃないってことですか?」
「お互い様っちゅうことや。俺にも大義があるからな」
「俺、大抵の女性が苦手ですけど、あんな知った風な口をきかれるのは、本当に苦手です」
「日出子には、口で勝てんで。プロやからな」
「そうやってあの人の肩を持つのは止めて下さい。……どうやったら、あなたを独り占めできるんですか?」
「してるやないか」
「……本気で言ってます?」
「言ってるで。日出子は夫婦っちゅうより、何やな…同志みたいなもんや」
「だから、別々に考えろと?」
「俺、酷なこと言うてるか? でも、離婚してもしなくても変わらんのやったら、そうなるなぁ」
長谷川は、暢宏から顔を背けたまま、暫く黙っていた。
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