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95にしおりをはさみました!
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95
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ハンドルを握って俺の家へと向かって運転している先生の横顔を見る
一人になりたくないと言う気持ちが強くなる
「どうした?」
俺の視線が気になった先生が問い掛けてくる
俺のせいでこうなったのに俺が我儘を言って良いのか…
小さく口を開いた。
「…今日は先生と一緒に居たい」
車内に静寂が走る
その間が答えなんだろう。そう思いぎこちない笑顔を向けた
「嘘だって…ごめん。」
俺は前に向き直り見慣れた景色を眺めていた
まだまだ着かない俺の家まで寝ていよう
俺は目を瞑ってその時を待った
「親に連絡しとけ」
そう告げられ少し傾いていた首を先生の方に勢い良く向け顔を見詰めた
「ありがとう」
自然に笑えたのは先生のお陰だ
連絡をしようと携帯を開けば何十件にも渡っての先生からの着信
「大垣が心配してたからアイツにも連絡しろよ」
蓮が先生に知らせてくれたんだとその時気付く
蓮の大切さも先生の大切さも改めて再確認させられた
親より先に蓮に連絡をしようと思い文を打ち始める
『今日は本当にごめん。
酷い事言ったし心配もしてくれたのに俺何にも分かってなかった
先生に知らせてくれてありがとう』
明日直接もう一度言おう。そう決めて俺は母さんにもメールを打った
俺の目の前には先程とは変わった景色が広がる
窓に顔を置き流れていく住宅街や木々を見ていた
今日はまだ先生と一緒に居られる
そう思えばなんだか力が抜けた
先生の存在が一日にして大きく膨れ上がった
それは先生だけではなく蓮もだ
これからは二人をもっと大事にして行こう
そう心に強く誓った
自分の中で張りつめていた糸が切れ、疲れ切った体が悲鳴を上げた
重たい瞼が徐々に下がっていき、いつしか俺は目を瞑り深い眠りについていた
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