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2にしおりをはさみました!
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「…こてつ?」
初めて聞く名前に、芦川は首を傾げる。
「誰?人?」
「うちの柴犬だよ!すっげぇ可愛んだぞ!尻尾がくりんってなってて、耳はピンと立ってて、目が真ん丸でさぁ!」
「へぇ。前から犬好きだとは聞いてたけど、実際飼ってたんだな。」
少々興奮気味になっている遥歩を、少し引いた目で見つめながら芦川はそう言った。
「そんでさ?肉球がこれまたぷにぷにしててさ!」
「うんうん。」
「俺が散歩連れてこうとすると、歯を剥き出しにして唸ってさ!」
「うんうん………ん?」
「頭撫でてやろうとすると、光の速さで手に噛み付いてきたりとか!」
「え、ちょ…え?」
「あと、お手とか芸を教えてやろうとすると、俺から猛スピードで逃げ 「ちょ、ちょちょちょい待て!」
「?」
遥歩の留まることを知らないベタ褒めトークを芦川は止めた。
「…お前…犬、好きなんだよな?」
「? もちろん。」
「…その、虎鉄とやらの事も…?」
「もちろん!」
「…。」
「…?」
「……えっと…あのさ……お前の話聞いてる限りだと…その……とても言い難いんだけど…。」
芦川は苦い顔をしながら、持っていた箸を器の上に置く。
「……遥歩…ひょっとしてお前…その虎鉄君に、嫌われてんじゃねぇの…?」
「…。」
芦川の言葉に、遥歩は一瞬思考が停止した。
そして、すぐにその言葉の意味を辿っていく。
…嫌われている…?
嫌われている…嫌われている……嫌われて…いる……。
誰が…誰に…?
…嫌われている……?
…………。
………………。
「……俺嫌われてたの!?!?」
「今!?」
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