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悪夢〔5〕*にしおりをはさみました!
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悪夢〔5〕*
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こんなに、やわらかかったんだ…。
暫く唇をあわせた後、一度下唇をやさしく食んでから、力みのない口内に熱い舌を差し込んだ。
ビールと… ほんの少し、タバコの味。
「ん、んん”ーー」
やっと状況を理解した兄が、必死に引き離そうと胸元を押す。目覚めたばかりの怠い体は、思うように力が入らないらしい。
逃げ惑う舌をすくい捕まえると、顔を振ってまた逃げられた。
「っはぁ、…… やめ…っ…んん”!」
咄嗟に口を覆った手を掴み取り頭上に縫い付け、もう片方の手で動く顔を固定し、再び深く口づける。快楽を考える暇もなく、ただ ただ その口の中を堪能した。
_____ガチッ
「痛ッ……」
舌を噛まれたらしい。
錆びた風味が徐々に広がってゆく…
兄の必死の抵抗だった。
「ごめん、 ごめん… 兄さん」
嫌だ嫌だと、暴れる両手をなんとか束ね、ソファの背にかけてあった湿り気のある白いタオルで、兄の自由を無慈悲に奪った。
自分の事で、手一杯だった。
「何、で……。 何で、こんなこと…」
怯える兄が、小さく震えながら口にした。
「好き…… 好きなんだ。 兄さん…。
ずっと、…ずっと好きだった。」
抱えていた想いが、止め処なく溢れた。
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