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08にしおりをはさみました!
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08
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あぁまたやってしまった。
また弓弦を置いてしまい、自分が嫌になった。
必死に走り、やっと人混みの中に出た。
弓弦に連絡入れとこ……と携帯を取り出そうとしてたら、誰かにぶつかってしまい体制を崩した。
やべ、後ろに倒れる―――。
と思ったら体を誰かに支えられた。
「馬鹿」
そこにいたのは亮で、すました顔してる癖に息も上がって額に汗をかいてたから、走って追いかけてくれたんだ……と、思わず胸の奥がキュ、、とした。
「な、なんだよ…!来んなよ!!」
「あ?テメェ助けてやったのに礼くらい言えねーのかよ!」
何も言い返せなくてく……と押し黙る。
「なんで…追いかけて来てんだよ……」
「あー、なんでだろ。つい」
なんだよそれ。
彼女置いてまで追いかけてくるとか理由くらいあんだろ。
どうせ連絡無視したこと怒ってるから言いに来たんだろ。
「彼女さん、いいのかよ」
「?」
そう聞くと亮は頭に?を浮かべた。
いや、俺が?浮かべたい。
「朝香のこと?」
「うん……」
「馬鹿か。アイツ彼女とかじゃないから。つか俺彼女とかいないし」
?……???
彼女じゃ……ない?てか、彼女いない?
ん……??
「だ、だって…、弓弦が……!!」
「あ?何言ってんだアイツ……。俺と朝香はただの幼なじみ!」
そ、そうだったのか……。
俺、なんか勘違いして恥ずかし……。
でもなんか気持ちが軽くなってるのは、なんでだろ。
「勘違いとか、馬鹿かよ」
「う……!!うるさ……んっ!!」
俺だって勘違いしたくてしたわけじゃないのに!と、反抗しようとしたら肩を引き寄せられ唇を重ねられた。
「ちょ……!!人混みなんだからやめろバカ!!」
「お前女みたいな顔だしバレねぇだろ」
「んなことねーよ!お前目立つからみんな見てんだよ!!それに俺はどっからどう見ても男だ…っ」
人混みの中でも、俺達の横を過ぎた人誰もが亮を振り返る。
そりゃそうだろう。
亮は自分で気づいてないみたいだけど、お前はめちゃくちゃかっこいいんだよ。顔が。
それに今日の亮はワックスで前髪を横にかきあげていて、黒の浴衣もすごく似合ってて一段と、色気が出てるというか…男らしくてかっこいい。
怒って亮の胸をバシバシ叩いているとその瞬間ぎゅっと抱きしめられた。
久しぶりの亮の匂いに、なんだかドキドキする。
「マジさ、心配したんだからな」
「……え?」
「連絡、全部無視しやがって」
「あ……いやその、それは……本当、ごめん…」
「お仕置きする」
「…は?」
心配してくれた……なんて、嬉しくなくもない。だからつい亮に包まれ心地よくなってしまい、亮の体にすっかり身を委ねてしまっていた俺は、その言葉にバッと顔を上げた。
亮は少し怒ってるような、だけど嬉しそうな、コイツ絶対性格悪いぞ!って感じの表情をしていた。
お、お仕置きって……嫌な予感しかしないんだが。
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